こともなし

曇。

昼から県図書館。教えて頂いた「大西巨人文選」をまずは借りる。これも同じ方に教えて頂いて、老母が借りてこいといった津野海太郎さんの本は貸出中で残念だった。他、橋本治さんの「ひらがな日本美術史」やエリアーデなど。読むのが楽しみ。

車中ではつまらぬことをうじうじ考えていたのだが、落下し尽くしてどうでもよくなる。何だかバカバカしい。


借りてきた『大西巨人文選 4 遼遠』の「『吉本隆明歳時記』のこと」を早速読む。元々は『吉本隆明歳時記』の文庫解説の文章である。うーむ、という感じ。これはむずかしい。しかし、わたしはよく「どうでもいい」人なのであるが、この背筋のぴんと伸びた文章を、どうでもいいと片付けるわけにはいかない。わたしなりに勝手に読むと、大西巨人さんは日本文学(日本の古典)の湿度の高い文章に敵対的であって、吉本さんの文章にもその敵対性を認めているところで評価なされているのかなと思った。そこからはずれるような節には懸念が抱かれていて、それがこの短い文章の末尾であるわけだろうか。論理の展開が必要最小限しか書かれていなくて、わたしにはじつにむずかしいので、これが正しい読みなのかまったくわからないが、それにしてもまあ何という高級な文章が文庫解説になっているものであろうか。なにしろ大西巨人さんを初めて読んだわたくしであるから、まさに五里霧中であるが、日本人の思考における「超越性」の導入ということであれば、わたしにもはっきりと縁のある主張である。あるいはそこまでいかなくても、「幾何学の精神」の導入、とか。さて、せっかくであるので、本書の他の文章も読んでみることにしよう。

NML で音楽を聴く。■ベートーヴェン交響曲第三番「英雄」 op.55 で、指揮はクラウディオ・アバドベルリン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。何という巨大でめちゃカッコいい演奏…。ベルリン・フィルが鳴り切っている。

ベートーヴェン:交響曲第3番、第4番

ベートーヴェン:交響曲第3番、第4番

ブラームスのピアノ協奏曲第一番 op.15 で、ピアノはスティーヴン・コヴァセヴィチ、指揮はヴォルフガング・サヴァリッシュロンドン・フィルハーモニー管弦楽団NMLCD)。すごい演奏。コヴァセヴィチは男くささがむんむんしている。サヴァリッシュも一世一代の気合の入りようがすごい。女人禁制の演奏ですよ。ブラームスの青春がいっぱいに詰まっている。■モーツァルトのフルート四重奏曲第一番 K.285 で、フルートはクリストファー・ハイド=スミス、カミングス弦楽三重奏団(NML)。
Mozart:Flute Quartets

Mozart:Flute Quartets