深夜起床。
山内志朗の『天使の記号学』を読む。中世キリスト教神学の本かと思ったら、ちがっていた。いや、ちがっているわけではないけれど、「エヴァンゲリオン」すら出てくる現代哲学の本であるというべきだろう。わたしのような中二病者には、得難いおもしろい本である。また、最近の本としてはめずらしく「深さ」を志向していて、「深さ」が嫌われる現代にあっては、いまの学者としてリスキーな仕事であるともいえよう。その性格上、わたしのような学識に乏しい者には難解であるが、これはわたしには好ましい。ま、いまではたぶん売れない類の本ですね。引き続き読む。
山内志朗『新版 天使の記号学』読了。副題「小さな中世哲学入門」。文庫あとがきを読むと、へえ、本書元版は売れたのですね。結局、僕には本書は何もわからなかったようである。まったくわたしは大したことがない。
- 作者: 山内志朗
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2019/03/16
- メディア: 文庫
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NML で音楽を聴く。■ハイドンのピアノ・ソナタ第六十番 Hob.XVI:50 で、ピアノは山口友由実(NML)。
謝肉祭 ~音列の風景たち~ ハイドン、ドビュッシー、シューマン
- アーティスト: 山口友由実(Pf)
- 出版社/メーカー: オクタヴィア・レコード
- 発売日: 2016/10/21
- メディア: CD
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■ペンデレツキの弦楽四重奏曲第三番「書かれなかった日記のページ」で、演奏はアトマ四重奏団(NML、CD)。■ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第三十番 op.109 で、ピアノはフィリップ・アントルモン(NML)。
Beethoven: Piano Sonatas Nos. 14, 20, 23 & 30
- アーティスト: Philippe Entremont and Wiener Kammerorchester
- 出版社/メーカー: Solo Musica
- 発売日: 2019/05/03
- メディア: MP3 ダウンロード
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昼からミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。フレンチクルーラー+ブレンドコーヒー378円。小林信彦さんを読む。
図書館から借りてきた、小林信彦『花と爆弾』読了。2003年のクロニクルなので、時代は小泉政権下の平成である。小林さんは自分の手の届くところから時代を浮き彫りにしているが、こういうものを読むとその頃自分は何をし、何を考えていたのだろうとつい思う。僕は自分が平成の人間であるとは実感できず、思い出すのは多くは昭和のことであるが*1、じつは生きた時間は昭和より平成の方がだいぶ長い。というか、自分の「男盛り」の時期はまさしく平成に当たるはずだが、結局自分には「男盛り」の時期というものはなく、ただ荏苒とぼんやりした日々を送っただけである。仕事もしたが、そして確かに楽しく仕事をした日々もあったのだが、最後の方はひどいもので、修行とでも思わねばまったくやっていられなかった。そして、仕事であとに残ったものは、自分の実感としてはゼロである。実際にどうであったのかはわからないが、実感としてはまるでむなしい。ただ、あれで日本の将来のパースペクティブを得たところはある。僕は、そこで自分の得た結論がまちがっていることを強く望んでいる。
下らぬ自分のことばかり書いてしまったが、小林信彦さんを読んで、平成というものがどういう時代だったのか、自分なりに認識してみたくなったのである。とにかくわたしは平成の三十年をぼーっとすごしてしまったので、ちょっと調べてみたくなっている。いったい、わたしは何を考えて平成を生きてきたのか。ぼーっと生きてんじゃねえよとホント誰かに叱られそうなものだ。
- 作者: 小林信彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/04/22
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もっとも、この「人間の変化」あるいは「人間の終焉」は、インターネットにその原因があるのかは、確かに考えるべきことであろう。インターネットはあるいはそれを加速しただけなのかも知れない。ならば、その原因は正確には何なのか。
*1:それは正確ではないか。わたしにも青春時代というものがあって、それは京都で学生生活を送ったときであったが、それは既に平成であった。