家族で京都日帰り旅行

曇。
昧爽起床。

NML で音楽を聴く。■バッハのパルティータ第二番 BWV826 で、ピアノは園田高弘NMLCD)。いい演奏だな。園田高弘に対しては畏敬の念を禁じ得ない。しかし、何ともみずみずしいバッハではあるまいか?

母の体調がよくなってきたこともあり、日帰りで京都へ行こうということに。七時半頃に自宅を出発、いつものごとく岐阜各務原IC から高速に乗る。曇天であり、天気がもってくれるとよいが。名神高速は意外と順調で、滋賀の多賀SA で休憩したあと、京都東IC で下りて山科市内に入る。ここからは自分で運転するのは初めてだ。ずっと三条通の続きなのだな。山科から京都市内へ抜けるときに思ったのだが、並走していたはずの京阪京津線がない! 廃止になったのかとちょっとさみしく思う(いま調べたところでは、地下鉄東西線に乗り入れていて、京津三条・御陵間の地上部分はやはり廃止されたらしい)。鴨川を渡って御池の地下駐車場に入る。こんなところが出来ていたとはまったく知らなかった(母がネットで調べた)。1200台収容できる大地下駐車場である。家からは二時間少々かかったかというところ。
 駐車場のところには御池通の下に大きな地下街が出来ていた。これも知らない…。京都にいたのはもう二十年以上も前だものな。地下鉄東西線京都市役所前から、烏丸線五条駅まで乗り、そこから徒歩で東本願寺へ。


東本願寺はもちろん真宗大谷派の本山であり、ちなみにウチはそこの門徒である。京都駅前にあるので、外から見た人は少なくないだろう。特に何というものがあるわけではなく、それは幕末の「蛤御門の変」の際にほぼ焼失してしまったかららしい。なので、逆に(?)新しくてきれいではあるし、とにかく建物がデカくて壮麗ではある。ちなみに再建の費用はわたくしの家も負担させられました(笑)。どうでもいいが、知っている人は知っているだろう「毛綱」というものがあって、これはちょっと気持ちが悪いか。とかあまりよいことを書いていないが、ちゃんとお参りしてきましたよ。ここは僕も母もかつて訪れているが、父はまだだったので父のリクエストを容れたのである。
 ここいらで雨がパラパラし出した。七条通を西へ十五分ほど歩く。曇っていて歩きやすい天気なのだが、既に僕と母が疲れてきた。


七条堀川の西本願寺へ。ここは国宝が多く、上の二つの写真の建物(阿弥陀堂と御影堂)もそうである。外国人観光客も多い。ここは家族皆初めて。東本願寺のピカピカに比べると薄暗い感じではあるが、それだけ文化財という気はする。でも、宗教施設なのだからそんなことを言ってはいけませんね。しかし両本願寺ともすごい建物で、親鸞上人はまったく予想もしていなかったことであろう。僕は親鸞上人は偉大な人であったと思っています。
 修復中で国宝「唐門」が見られなかったのはちょっと残念。
 堀川通を渡って反対側にあった、正面通という小さな道がおもしろかった。「総門」という門が付いている通りである。

通りには仏具店などお寺に関するお店が並んでいる。

下の写真はモスクではありません。「伝道院」といって西本願寺関係の建物であり、明治二十八年に伊東忠太の設計で建てられたものである(重文)。

 
さて、お昼どきになった。予定では地下鉄で御池に戻って食事をするつもりであったが、もはやくたびれている。ということで、バスで京都駅へ。地下街・ポルタの手打ちうどん杵屋」で昼食。うどんはコシがあり、京風なのか薄味のつゆで、なかなかうまかったです。
 次はいまさらながら銀閣寺(ここも父は行ったことがない)へ行くつもりなのだが、どうするか。もうバスで行こうということで、駅正面のコンビニでビニール傘を調達したあと、観光向けの「洛100」というバスに乗る。運よく座れたのでよかったとかなさけない話。乗客は外国人がほとんどでびっくり。ホントに外国人観光客がこんなに多いとは、テレビとかで知ってはいたが、実見するとやはり驚かされる。マジすごいですよ。さきほどのうどん屋にも外国人が来ていたくらい。とかで、えこんな道を通るのとか驚かされつつ、「銀閣寺前」という知らないバス停で降りる。かつては白川通の「銀閣寺道」で降りたものだったが。傘をさしつつ歩く。


 参道がまた外国人だらけで、観光客向けのショップが乱立していてまったく(また)びっくり。銀閣寺内は人で混んでいて、紅葉シーズンになったらどうなってしまうのか。と、おや、「秋の特別公開」というのをやっているのか。1000円で特別拝観できるそうで、開始時間も近く、これに申し込むことにする。これが正解で、今日のいちばんでしたね。特に裏庭が見られたり、「東求堂」(国宝)の中も見ることができた。「東求堂」は創建時からある建物で、義政公が愛用した「同仁斎」の中に入って見られたのには感激した。この四畳半の部屋はいわゆる「書院造」の原点ともいうべきものであり、俗な話だが NHK の「ブラタモリ」で放送したのをまざまざと思い出してしまった。まあ口の悪い人なら薄汚れた四畳半といわれるかも知れないが、いまでも気品を保った簡素な美しさがあるように思えた。ミーハーでしょうか。

雨はほぼ已んだ。銀閣寺を出て、疎水沿いの「哲学の道」を歩く。かつては特に何もなく、京都学派の哲学者・西田幾多郎先生が散歩された道ということが広まって、いまでは観光地化された。ちらちら見える吉田山がなつかしい。予定では南禅寺まで歩くつもりで、学生のころ南禅寺から銀閣寺まで歩いたことがあったので容易だと思ったら、じつはいまではとても我々には無理だった。三分の一くらい歩いたところで、時間もきたことだし、なさけなくも残りは断念する。白川通まで出てタクシー、一気に御池へ戻る。もうこれでおしまいということで、タクシーを降りたところにたまたまあった「SAVOY」という古そうな喫茶店に入り、コーヒーで休憩。

三時半頃に御池駐車場を出発、帰路に。途中、名神高速の多賀SA に寄り、夕飯を買っていく。暗くなったが順調に走って、六時自宅着。総計291km、ひさしぶりの家族遠出で、楽しゅうございました。


...しかし、もっと運動をしないと、という話。病み上がりの母はともかく、今日は父がいちばん元気でした。プールはまた行き始めたけれど、ちょっと歩くかな。

おまけ。西本願寺・伝道院の周囲にあった謎のオブジェ(?)たち。