こともなし

曇。
昨晩は中沢さんの『熊楠の星の時間』を読んで寝た。これ、いま「群像」に連載されている論考の先駆けになっているものだな。ここで既に「レンマ学」の概要がスケッチされている。いまの連載の予習としてちょうどよい。じつに少しづつだけれど、わかってきた感じがある。それにしても、中沢さんの生産性の高さは凄いな。デビューしてからここまで、思想的には立ち止まらずに着実に進んでこられた。天才と同時代を生きる幸福を感じるのは、これまでで中沢さんひとりである。

NML で音楽を聴く。■バッハのリュート組曲ホ短調 BWV996 で、バロックリュートは今村泰典(NMLCD)。毎日このアルバムを聴くのが本当に楽しみ。■モーツァルトのピアノ・ソナタ第十七番 K.570 で、ピアノは野平一郎(NML)。野平一郎のモーツァルトは、どうも自分にはスタンダードになりそうだな。ちょっと天才的ではないか、このピアニストは。

野平一郎 水戸芸術館モーツアルトライヴシリーズ 5

野平一郎 水戸芸術館モーツアルトライヴシリーズ 5

ルトスワフスキの「民謡集」、2つの練習曲、インヴェンション(パウル・ザッハー財団所蔵)、インヴェンション(1968)、「ふと耳にした調べ」、小品(オリジナル4手ピアノ版、パウル・ザッハー財団所蔵)で、ピアノはジョルジオ・コウクル(NMLCD)。■細川俊夫の「嘆き」で、メゾ・ソプラノは藤村実穂子、指揮は準・メルクル、バスク国立管弦楽団NMLCD)。


アマゾンから本いろいろ落手。その中では、以下のものが楽しみである。

計算理論の基礎 [原著第2版] 1.オートマトンと言語

計算理論の基礎 [原著第2版] 1.オートマトンと言語

計算理論の基礎 [原著第2版] 2.計算可能性の理論

計算理論の基礎 [原著第2版] 2.計算可能性の理論

計算理論の基礎 [原著第2版] 3.複雑さの理論

計算理論の基礎 [原著第2版] 3.複雑さの理論

数値計算の常識

数値計算の常識

特に『数値計算の常識』(なんと35刷)はちょっと目を通してみたが、既に非常におもしろい。しかし一緒に買った数値計算の基礎的な本がいまいちっぽいので、スタンダードな数値計算の教科書が欲しい。うーん、未知の分野で楽しそう。とりあえず Ruby を使いながら数値計算をいじくってみたい。材料はいろいろある。また、Ruby数値計算においてどれくらいの実力をもっているかも楽しみだ。まあ、別に Ruby数値計算用の言語でも何でもないが、だからこそ遊べそうである。


図書館。建物の正面に大きな梅の樹があったのだが、昨日の台風で根こそぎ倒れていた。自分が見た中では、今回の台風のいちばんの被害。
市民公園を歩いていると、世界が美しいという感覚が戻ってきたのを感じる。ひどく暑い夏が終って、秋になり始めたせいもあるかも知れない。

ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。セイボリーサンド・ドーナツ ハムツナ+ブレンドコーヒー442円。ゆたさんがブログでよしもとばななさんを読んでおもしろかったというので、ちょっとコメントしたのだが、そのせいもあって河合隼雄先生との対談を借りてきた。前にも読んでいるのだけれど、読み返しても(前読んだ中身はあまり覚えていない)とてもおもしろく、そしてさらにとても深くてすばらしい。前読んだときもおもしろかったと覚えているが、自分も多少進歩したらしく、(予感はしていたが)あんまり中身が深いので感嘆しきりだった。ばななさんは中間の世代だと自覚しておられるが、自分はばななさんより少し年下だが似たようなもので、中間の世代というか、(同じことだが)「最後の世代」だと感じている。なので、雑談みたいな中に示唆してくるものがたくさんあって、じつにすごいと思った。ばななさんと河合先生の、新しい世代に対する感覚は、もう15年以上も前の本であるが、まったく先を見通していて、ほとんど修正するところがない。僕はばななさんはそれほどは読んでいないので、いまさらながらちょっと読んでみようかと思う。それこそ「ブ」で入手できるのではないか。