リチャード・パワーズ『舞踏会へ向かう三人の農夫(下)』

曇。のち雨。

NML で音楽を聴く。■バッハのフルート・ソナタ ハ長調 BWV1033 で、フルートは福永吉宏、チェンバロ小林道夫NMLCD)。このアルバムはまた聴き返したいな。■モーツァルトのピアノ・ソナタ第十五番 K.533+K.494 で、ピアノは野平一郎(NMLCD)。毎回そう書いているのだが、それでもすばらしいと言いたい。■ハイドンのピアノ・ソナタ第三十八番 Hob.XVI:23 で、ピアノはシュ・シャオメイ(NMLCD)。■ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第三十二番 op.111 で、ピアノは園田高弘NMLCD)。ここまでやっても忘れられてしまうのかな。再現芸術って何かとか思っちゃうな。園田って努力の人なのかどうなのか知らないけれど、ここまで来るのには相当の研鑽があったことは当然なのであって。

基本が大事。

NML で音楽を聴く。■バッハのリュート組曲ホ長調 BWV1006a で、リュートは今村泰典(NML)。バッハのリュートのための曲を聴くのは、恥かしながら初めてなのである。でも、この曲は知っているね。無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第三番と同じだ。リュートだと、印象がだいぶちがう。ヴァイオリンのきびしい感じよりは、鄙びた感じとでもいうのかな。さて、このアルバムを聴くのが楽しみである。

Bach: Complete Works for Lute

Bach: Complete Works for Lute

■バッハのリュート組曲(パルティータ)ハ短調 BWV997 で、リュートは今村泰典(NML)。うーん、いいなあこれ。どうしてこれまで聴かなかったかな。■モーツァルトの自由の歌 K.506、老婆 K.517、秘め事 K.518、別れの歌 K.519、ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき K.520、夕べの想い K.523、クローエに寄す K.524、夢に見る姿 K.530、小さな糸紡ぎ娘 K.531、春へのあこがれ K.596、春の初めに K.597、無限なる宇宙の創造者を崇敬する汝らが K.619で、テノールペーター・シュライアー、ピアノはアンドラーシュ・シフNMLCD)。■ルトスワフスキのピアノ・ソナタパウル・ザッハー財団所蔵)で、ピアノはジョルジオ・コウクル(NML)。これはきらめくような美しい曲。スクリャービンラヴェル(?)かなという感じで、伝統的な調性で書かれている。演奏時間はほぼ 30分。力作だ。また聴いてみたくなる曲だな。
Lutoslawski: Complete Piano Music

Lutoslawski: Complete Piano Music

 
何だか何もする気が起きなくて、音楽を聴いてばかりいるこの数日。
でも、すばらしい音楽がたくさんある。クラシック音楽ばかりだけでなくポピュラー音楽も聴きたいのだが、そこまで手が回らない。そのうちもう少し聴きたい。ポピュラー音楽向けの音楽配信サービスに入ってもいいのだけど、そこまで聴く時間がないのだな。ヒマ人なことはヒマ人なのだが。

夕食後、ブラタモリを見たあと寝てしまう。深夜起床。

リチャード・パワーズ『舞踏会へ向かう三人の農夫(下)』読了。柴田元幸訳。面倒な小説であるが、訳者解説で、本書は「小説なんか書くのは最初で最後だ」と著者が二十四歳で書いた処女作であり、読者など想定していなかったというのを読んで、ちょっと考えが変った。まあ解説を読んで変わる読後感などいいかげんなものであるが、とにかく、本書の晦渋さはさほど否定的には思えなくなった。しかし、この翻訳の元版が売れたというのはすごい。訳者のネームバリューもあったのか、皆んなすごいですね。訳者も文庫版あとがきで「本書はおもしろい」と言っているが、まあそうなのかな。自分にはかなりの苦行でしたね。結局、読み終えて謎が解けても多少のむなしさを感じる。面倒な小説は見栄もあって読まないとと思うのですけれどね。

上巻の感想に書いた「文明批判」というのは、どうも見当ちがいだったようですね。それほどのことはない。結局、本書で何が言いたいかとかいうことはないようだ。もちろん、それでなくてはなりません。