明田川融『日米地位協定』

日曜日。雨。
昨晩は中沢さんを読んで寝た。

NML で音楽を聴く。■バッハのパルティータ第一番 BWV825 で、ピアノはシュ・シャオメイ(NML)。これはよいバッハだな。いいものを見つけた。

Partitas Bwv825-830

Partitas Bwv825-830

本格的な雨だな。

NML で音楽を聴く。■シューベルト弦楽四重奏曲第十四番 D810、弦楽四重奏曲第十二番「四重奏断章」D703 で、演奏は東京Q(NMLCD)。なんかさー、東京Q って聴き始めは「大したことないなー」って思うんだけれど、聴き終わると「東京Qスゲー」ってなるんだよね。どうも、東京Q の手のひらの中で踊ってる感じ。■スカルラッティソナタ K.87, K.98, K.13, K.8, K.11 で、ピアノはイーヴォ・ポゴレリチNMLCD)。美しいピアノの音だな。


雨雨ふれふれ母さんが…。

 
そういや伊藤計劃って読んでいるのだけれど、どれもまったく中身を思い出せない…。わたくしの頭なんてそんなものであるなあ。御大(神林長平大先生)のはよく記憶に残っているのだけれど。中高生の頃大好きだったからね。最近のはあまり読んでいないのだけれど、たまに読むとあいかわらずの神林ワールドでとってもいい感じである。おっさんだなあ。

何か何にもしたくないな。本も読みたくないし、音楽も聴きたくないし、ネットも見たくない。一日24時間寝ていたい気がする。

図書館から借りてきた、明田川融『日米地位協定』読了。副題「その歴史と現在(いま)」。基本的に四日前に書いた感想を訂正するところはない。米軍にお願いしてわざわざ日本に駐留してもらうのもまあよい。「信ちゃんの思いやり論」もいいだろう。ちなみに「信ちゃん」というのは金丸信のことであり、これが「思いやり予算」の原型である。日本は米軍がいなければ国を守っていけないというなら、そのアメリカへの属国ぶりも仕方がないのかも知れない。しかし、そのために沖縄を犠牲にし、「本土」はその上にあぐらをかいて、さらに沖縄を叩きさえするというのは、まともな国民のやることであろうか。わたくしは、愛国心を発揮しようにも、そのもって行き場がないような感じがする。沖縄はそもそも太平洋戦争時に、日本国内で唯一凄惨な地上戦が行われた場所であるというのに。思えば、そのときも沖縄ははっきりと「捨て石」であったことがわかっている。ひどい話だ。
 本書の最後の方に、思想家・藤田省三氏の取り上げたエピソードとして、明治時代の「マリア・ルス号事件」の簡単な紹介があったのだが、自分はそこを読んで思わず落涙しそうになった(実際はしていません)。この「マリア・ルス号事件」については、少し調べてみたいと思う。それから、現在の日本はジブチとの間に、アメリカとの「日米地位協定」を逆転させたような不平等協定を結んでいることは伊勢崎賢治氏の啓蒙により一応知っていた。ところでそのような不平等協定は1992年のカンボジアPKOの際にも結ばれており*1、そこでは実際に自衛隊員が任務中に交通事故を三件起こしていて、そのうち二件は死亡事故(亡くなったのは現地人)であった。ご承知のとおり自衛隊に軍法はないので、日本政府の取った措置(行政処分)は、たんなる減給一月であったそうである。付記しておくと、本書ではこの記述のあとに、前述の「マリア・ルス号事件」のエピソードが来るのである。わたくしは、明治時代の日本人が、いろいろな意味で少なくとも現在の日本人よりも立派な人たちであったことをまたしても思い知らされた。もはや滅びた、文明人であったと思うのである。

日米地位協定

日米地位協定

しかし、自分はパヨクであるが、まともな右翼は日本が主権国家でないという事実をどういう論理で納得しているのであろうか。同国人の苦しみを理解するどころか、叩きさえするというのが、愛国心なのであろうか。わたしにはよくわからない精神構造なのである。わからないのは自分みたいなバカなのか。知らぬ。

*1:その実際はかなり微妙なもののようだが。詳しいことは自分は知らない。