池内了『科学者と軍事研究』

休日(みどりの日)。晴。


武満徹の「雨の呪文」。


モーツァルトのフルート四重奏曲第四番 K.298 で、フルートは Guy Eshed。


ベートーヴェン交響曲第三番 op.55「英雄」で、指揮は小澤征爾サイトウ・キネン・オーケストラ。何というクソ真面目な演奏であろう! おそらく自分が聴いた中では最高のエロイカ交響曲だったのではないか。それにしても、このクソ真面目さには感動させられる。まさしくこれこそがベートーヴェンであろう。小澤征爾という人は、シリアスな大曲の似合うひとであるな。もちろん、小澤征爾が合わないって人もいるだろう。自分も以前は全然わかってなかったしな。ようやく、どうしてカラヤンバーンスタイン両巨匠が小澤をかわいがったか、わかってきたような気がしますよ。

池内了『科学者と軍事研究』読了。昔の話かと思って読み始めたら、バリバリにいま現在のことであった。日本の(主に理系の)学問に急速に軍事研究が入り込みつつあるという話である。その背景には、文部省のいわゆる「選択と集中」により、日本の学術研究が崩壊しつつあるという現実がある。我々市民は、現在の日本の大学の現状に関してもう少し正確な知識をもち、それを常識化した方がよいように思える。それを知らないと、いま日本で起きていることの多くがよくわからないことになる。ただ著者は、安倍首相の個人的資質を少し過大評価しすぎなのではあるまいか(そうでなければお許し頂きたい)。これは安倍首相が退陣したあとも続くことである。日本が没落しつつあることの、根は深いのだ。まあ、自分の実感としてはそれを止めることはもはや不可能であるが、しかし事実は知っておくべきであろう。なお、本書は『科学者と戦争』の続編であるようで、前著も読もうかなと思っている。

科学者と軍事研究 (岩波新書)

科学者と軍事研究 (岩波新書)

いくら「軍事研究は悪いものではない、もっとすべきものである」という科学者がいても、実際に軍事研究をするのはじつは内心は後ろめたいのだと著者は述べているが、確かにそうなのではあるまいか。屁理屈をこくのは、そういう心理を隠そうとしてのことであると。いや、そうは著者は言っていないので、勝手にパラフレーズしました(笑)。それにしてもいまの日本の(理系の)研究者は大変ですよ。自分も順調にいっていればそうなっていたのかも知れない。


ドラゴンクエスト1」をやる。「ガライの墓」のダンジョンは今日中にクリアしたかったのだが、「死霊の騎士」が強すぎて無理でした。何度コイツに殺されたか。あとレヴェルを 1上げないと苦しい感じ。
20180504222413