『ハーバート・スペンサー コレクション』

晴。
よく寝た。12時間くらい寝た。昨日はなぜかすこぶるしんどく、早く寝てしまった。


ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第二十八番 op.101 で、ピアノはフォルデシュ・アンドール。これはめったにない優れた演奏。しかしこのレヴェルでも忘れられてしまうのか…。


シューベルトの三つのピアノ曲 D946 で、ピアノはヴァルター・ギーゼキング。リコメンドにギーゼキングシューベルトがあったので、つい好奇心で聴いてみた。驚いた、すごくよかったのである。ギーゼキングというのは変な(?)ピアニストだな。いわゆるザハリッヒなピアニストであり、何を弾いてもいわばまるで機械のように演奏するのだが、それがいいというね。何だかこの人、自我がないみたいな感じがする。こんなピアニストは他にいない。

Linux Mint に不具合が出て、マウスでのクリックが全然できないようになってしまった。ファイルシステムの不具合でもなさそうだし(GRUBリカバリモードで立ち上げてチェックしてみた)、システムを再起動してもダメで、たぶんアップデートのせいだろうとは推測されたけれど、どうも雲をつかむようでさっぱりわからない。ただ、[Ctrl] + [Alt] + [F1] で tty(仮想コンソール)には入れたので、これから $ sudo timeshift を実行したところ、再起動で正常に立ち上がった。ふう、助かった。
 timeshift は Linux Mint 18.3 へのアップグレードの際に導入を推奨されたもので、システムのバックアップを自動的に取るツールである。Windows の「復元ポイント」みたいなやつ。バックアップの実行時に CPU に負荷がかかって多少フリーズするのでちょっといやだったのだが、助かりました。しかし、何が悪かったものか。システムのアップデートには少し時間をおこうと思う。
 なお、/home 以下の個人用のファイルは定期的に簡単にバックアップが取れるように Rubyスクリプトを組んでいるのだが、今回は必要なかったけれどやはりこまめにバックアップしておかないといけないことがわかる。特に SSD は死ぬときは一瞬らしいので。HDD だとたいてい徐々に弱っていくのでわかるのだけれど。

アベノミクスはベストの方策ではなかったが、日本経済を確実に好転させたという証拠は日々様々なところで既に検証されている。もはや、まともな経済学者でアベノミクスを否定する者はほとんどいなくなった。実際、アベノミクスで日本は崩壊すると騒ぎ立てた「予言」が、どれも的中しなかったことからも明らかなことである。ちなみに、日本の「国債の借金」で日本が崩壊すると騒ぎ立てた「予言」も、まったく的中せず、その反対の結果が出ていることも明白であろう。
 しかし、前途が明るいとはいえない。安倍首相は将来のさらなる消費増税を明言しているからである。8%への消費増税は明らかにアベノミクスの中の失敗のひとつであった。これを突く野党がいないのは奇っ怪である。むしろ消費減税が必要である。
 また、アベノミクスのおかげで日本企業は一息つくことができたが、日本企業の世界的な存在感の低下は急速である。これはアベノミクスのせいというよりは、日本人の「劣化」のせいなのかもわからない。もちろん「日本人の劣化」というのは印象でしかなく、まったくの裏付けを欠いているし、まあ遊びみたいな話である。このブログでも何度も書いてきたが、日本企業は「IT革命」に完全に乗り遅れた。いまや、世界的に存在感のある IT企業は、日本にただの一社もなく、中小企業でも世界的に有望なIT企業に育つと思われる存在は 0 である。IT企業の存在感という点で、日本は先進国ではない。
 また、一般的な電気・家電分野でも、じつは日本の存在感が既に低下していることは、意外と(日本では)知られていない。日本でのイメージでは中国・韓国・台湾のメーカーの製品は低品質でも安いから競争力があると思われているかも知れないが、事実は既にそうではなく、ヨーロッパの家電売り場などでも、高級品でかつ売れているのは中国・韓国のメーカーの製品であり、日本製品はむしろ中級品で、人気も苦戦しているというのが事実のようだ。いわば、「ものづくりの日本」の「敗北」である。まあ、勝ったとか負けたとか、どうでもいいことかも知れないが。

と、何も知らないくせに、エラソーに書いてみました。事実は皆さんでお確かめ下さい。まあ、ほんとどうでもいいことですね。

それから、アベノミクスの成功如何にかかわらず、「弱者は死ね」というのは現代日本のデフォルトになりましたね。今日も、いつも巡回するブログで「弱者を甘やかすからつけあがるのだ」という主張を見ましたが、いまやじつによく耳にする意見であります。まあ我々弱者としてもあまりこの世の中に生存していたくもないのですが、簡単に死ぬわけにもいかないですし、むずかしいですよね。でも、弱者を殺すのは強者としてもあまり得策ではないと思いますよ。いまや、ちょっとした運(のなさ)で、誰でも簡単に弱者に転落してしまい得るご時世ですから。まあそういうことはありえないという人には、関係のない話なのでしょうけれどもね。

ハーバート・スペンサー コレクション』読了。森村進編訳。

ハーバート・スペンサー コレクション (ちくま学芸文庫)

ハーバート・スペンサー コレクション (ちくま学芸文庫)

 

立場がちがえば、見えるものもまたちがう。その間を埋めることはむずかしい。
心が汚い。