岩波文庫版『まど・みちお詩集』

曇。
いったん 5時くらいに目覚めたが、二度寝して寝過ぎ。ずっと半覚醒状態で夢を見ていた。これはカラフルでおもしろい夢。海辺の建物の中にいて、きれいな魚がいっぱい泳いでいたり。

ショパン舟歌 op.60 で、ピアノはマルタ・アルゲリッチアルゲリッチのごく若い頃の録音で、心から感嘆する。明らかに即興的な感じで、崩して弾いているが、鋭い直感に支えられていて説得的。僕はいまのおばあさんのアルゲリッチが好きというか、音楽そのもののようで畏怖するのだけれど、若い頃のアルゲリッチが大人気だったのは当然だと思える。

ワーグナーの「ジークフリート牧歌」で、指揮はピエール・モントゥー。楽天的白痴的な演奏。美しいことは美しいのだけれどね。もう少ししっとりしたところのある曲だと思う。しかし、いい加減にしてそろそろワーグナーを聴かないといけないな。

バッハのイギリス組曲第二番 BWV807 で、ピアノはアリシア・デ・ラローチャ

父を柳ケ瀬まで送っていく。帰りにモスバーガーのドライブスルーで昼食。スーパー。
いまや政治については殆ど関心を失っている自分であるが、某稲田防衛相の「失言」などを見ていると、日本も結構な時代になったなあと思う。防衛相には自分の発言が問題であるという考えがまったくなかったことは明白で、心の底から自衛隊は自分の「私兵」のような気になっていることがそのまま出てしまったに過ぎない。ホント笑わせるね。すばらしき全体主義国家の誕生という、最近のトレンドの延長線上にある話である。「文春砲」なんてのも話題になっているけれど、誰もマジメな気分で週刊文春なんて信用している筈がない。あれで本人たちは硬派なマスコミのつもりなのかも知れない。まあそうでないというほどの者でも、こちらもないわけだが。何も今の時代が特にヒドいということも、恐らくはないのであろう。ただ思うのは、政治家がヒドいというよりも我々が愚民であるということだ。もっとも、皆さんはそう思っておられないようだが。僕も愚民だが、いちおうそれを恥ずかしく思っていて、何とかそうでない存在に己をもっていけたらなあとだけは思っている。
愚民たちを見ていて思うが、こんなのは序の口だぜ。まだまださらなる続きがある筈だ。そうそう、断っておけば、これは日本だけの話ではない。僕たちも、他の国の状況は岡目八目でよく見えるだろう。日本だけでないと知って、安心したかい? 結構だね。
もう忘れている人も多いだろうが、IS は落ち目になってきたな。でも、仮に IS が壊滅しても、シリアやイラクにおける問題は何も解決していない。打倒 IS でひとまず協力しているアメリカとロシアであるが、IS がなくなればまたシリアで代理戦争が始まるだろう。双六でいう、「ふりだしに戻る」である。まったくどうするのかね。アメリカ大統領の外交手腕に期待するか。オバマは中東政策に関しては白痴並だったから、まだ今の方がマシかもしれない、っておそろしいね。
池内恵氏が自身のブログでこのところ名著からの引用という形で、イスラームにおけるリベラルはどうして問題があるのか指摘しているが、イスラームというのもじつに難解だ。我々は明治以降キリスト教社会はある程度研究してきたが、イスラームに関してはまだ研究の蓄積が少ない。なかなか肌でわかるという感覚がない。
英米・ヨーロッパ諸国ではもはや「テロ」は日常化したな。もう起きてもあまり騒がない。つまりは「イスラエル化」したともいえるだろう。ある時期まではイスラエルにも自国政府のパレスチナ政策に批判的な少数勢力が存在したが、パレスチナ側による「テロ」の日常化などもあって、それら勢力はほぼ消滅したのではないか。ふつうのイスラエル人はパレスチナに対して無関心になった(「テロ」に遭うなら運が悪かったという感覚である)。イスラエル政府の対パレスチナ政策はまさしく「人道」も「人権」もあったものではないが、もはや世界のほとんどは注目すらしない。日本でなど、ここ何年かパレスチナのテレビ報道を見たことがない。もっとも僕はテレビニュースはあまり見ないけれども。
思うのだが、いまや「極右」か「グローバリズム」かのいずれかを選択しなければならないという、いわゆる究極の選択の時代になったのではないか。それ以外の道を選ぼうとしても、結局はそのいずれかに帰着してしまうという。では、どうせよというのかね。まさしく「リベラル」はむずかしいところに来ている。とにかく自分は愚民なので、どうしたらいいかさっぱりわからない。あっちへふらふら、こっちへふらふらという、ふらふら君でいるしかないのですよ。これなんていう、確かなものはこれっぽっちもない。

そういや、高橋源一郎さんが教育勅語を現代語訳したの、知っているかい。ちょっと前のことなのだけれど。おもしろいぜ。さすが高橋源一郎だと思ったよ。
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目が回る。

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谷川俊太郎編『まど・みちお詩集』読了。岩波文庫はこのところ現代詩を次々に収録していて、本書もその一冊。ありがとう、岩波文庫。こんなすばらしい詩人がいたのだな。しかしさかしらなことを書く気が起きない。まど・みちおは原初の詩人だ。どちらかというと、おかしくって仕方のない詩がいいね。「するめ」。

とうとう
やじるしに なって
きいている
うみは
あちらですかと…

何だか、おかしくてかつ悲しい。ああ、岩波文庫、もっと現代詩を入れてほしい。どんどん入れてほしい。フィクサー谷川俊太郎だな。