岡崎武志『詩集 風来坊ふたたび』

晴。
夢をたくさん見る。empty な感じ続く。本当に精神生活が貧しいからな。しかし、むしろこの領域に留まるべきかとも思う。これは同時代的なものだから。

バッハのフランス組曲第一番 BWV812 で、ピアノはタチアナ・ニコラーエワ。なるほど、これがニコラーエワのバッハか。

バルトークの「中国の不思議な役人組曲で、指揮はエドワード・ガードナー。まったく知らない指揮者だが、中堅の実力者らしい。切れ味の鋭い演奏で堪能した。バルトークは中身がいっぱいに詰まっているな。

武満徹の「カトレーン」で、指揮は小澤征爾武満徹を聴くというのは、心に水や肥料をやるようなものだと思う。僕は武満の音楽が無意識のどれくらい深くから発してきているのか、まだよくわからないくらいだ。武満は寝る前に聴いたりするといいんじゃないか。それから、小澤征爾はやはり立派。
武満を聴いて寝ころがっていたらとても具合がよかった。皆さんに武満徹を聴いてお昼寝することをおすすめしたいが、そんなヒマな人はいないか。

古書善行堂さんのネットショップ(参照)で岡崎武志さんの詩集を注文したら、すぐに送って下さった。いかんいかん、さっさと振り込まないと。
ということで、岡崎武志『詩集 風来坊ふたたび』読了。いつもブログを愛読している岡崎さんの詩集で、出版の話ができてくる過程で気になっていた。この詩集には前作があるようで、だから「ふたたび」なのである。前作の風来坊は二〇代後半の若者のイメージで書かれたそうであるが、本書の風来坊はどうなのであろうか。まだ若いようにも見えるが、おそらくは既に中年男性という気がした。苦い人生を辛くも渡ってきたという、くたびれ感とさみしさが漂っている感じである。齢を取れば取るほど、気持ちはさみしくなりくたびれてくる、それでもどこかへ歩いていかねばならない、そんな人生の真実がにじみ出ていて、感銘を受けた。自分のような甘っちょろい人生を生きてきた人間でもそういう感慨を抱かされるのだから、渡世のつらいすべての人々にこの詩集を贈りたい気分である。これはお世辞でなくいいものですよ。
なお、本書は古書善行堂さんの処女出版である。それはそうと、岡崎さんの前作はいまでも手に入るのかな。本書には ISBNコードがついていなく、大手による流通は考えておられないようだ。それもまたひとつの行き方であろう。

ATM での振り込みのため、国道のロードサイドへ。梅雨とは思えないカラリと晴れ上がった青空。ひさしぶりに BOOK OFF へ寄ってみる。何となく河出文庫柴崎友香と、岩波文庫丸山眞男の二冊を買う。棚を見ていても喚起されることがなく、最近の出版事情に冥いことがはっきりしている。そういや、「ブ」でのセドリの人たち、このところ見かけなくなった気がするなあ。




心境がどうであれ、世界はひたすら美しい。
早寝。