伊藤比呂美『父の生きる』

曇。
数学というか、簡単な計算もできないようになる夢を見る。起きても実際そんな感じ。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ・ソナタ第十三番 K.333(クリストフ・エッシェンバッハ参照)。■スカルラッティソナタ K.173 (スコット・ロス参照)。スカルラッティスコット・ロスもすばらしい。

音楽を聴く。■スカルラッティソナタ K.174、K.175、K.176、K.177、K.178、K.179、K.180、K.181、K.182、K.183、K.184、K.185 (スコット・ロス参照)。スカルラッティ中毒になってきて、止められなくなる。■ウィルヘルム・キーンツル弦楽四重奏曲第一番 op.22 (トーマス・クリスティアン・アンサンブル)。まるで知らない作曲家で、Wikipedia にも日本語の記事がない。後期ロマン派の作曲家で、この曲などはメンデルスゾーンっぽい感じ。歌曲で主に知られているそうである。まあ現在ではほぼ忘れられているといってよかろうが、しかし忘れられた作曲家を聴くというのはどうしてこんなにおもしろいのか。これだってつまらないといえばそうだけれど、でも別に悪くないじゃん。ここまで書けるようになるのだって大変だった筈である。演奏も、演奏者たちもまるで知らないが、かなり気合が入っていますよ。それにしても前から感心しているのだが、CPO っておもしろいレーベルですね。つい聴きてみたくなるようなラインナップである。誰それというような作曲家ばかりなのだもの。

キーンツル:弦楽四重奏曲集 第1-3番

キーンツル:弦楽四重奏曲集 第1-3番

ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第二組曲ダニエル・バレンボイム参照)。どうも自分はバレンボイムが苦手なのではないかと思い始めたこの頃。この演奏も精緻なのだが、何だか派手でうるさい感じ。ラヴェルってこんなもんか? いやー、そうかな。

図書館から借りてきた、伊藤比呂美『父の生きる』読了。伊藤比呂美さんが父親を亡くすまでの三年間を記録している。齢を取るというのはさみしいし、死ぬのもさみしい。最近そういうことが少しづつ身に沁みるようになってきたが、野蛮人・伊藤比呂美のごまかしのない記録を読んでいると、まだまだこれからなのだなあと思う。自分などはまだひよっこである。まあしかし、いつ来るかわからない世界なのだけれどね。でも、いつか必ず来る。金持ちであろうが貧乏人であろうが、幸せだろうが不幸だろうが確実に来る。まあそうエロサイトなんか見ているのはたいがいにしておいて、やはり修行ですね。本書もまた修行だ。いい本でした。伊藤比呂美は絶対におすすめだぜ。
父の生きる

父の生きる