金井美恵子のエッセイ集を読んでみる

晴。

ベートーヴェン弦楽四重奏曲第十五番 op.132 で、演奏は Ying Quartet。

シューベルトピアノ五重奏曲イ長調 D667「ます」。演奏はデンマークのある室内楽音楽祭におけるそれのようだが、詳細はわからない。昨日読んだ徐京植氏の著書によると、シューベルトの死因は梅毒であったという。確かにそれは有力な説のようだ。ニーチェの病も梅毒であったようで、こういうマジメな人たちの運命としては不思議なものを感じないでもない。シューベルトが梅毒に罹患せねば「冬の旅」が書かれなかったとすればである。
散髪。気分もすっきり。


シューベルトのピアノ・ソナタ第十九番 D958 で、ピアニストはアルフレッド・ブレンデル。しかしブレンデルって、見かけはどうしようもなく冴えないおっさんだな。知らなければ、誰が世界一流のピアニストだと思うだろう。

尹伊桑(Isang Yun)のピアノ・トリオ。いわゆる「現代音楽=ノイズ」という現代音楽の通俗的イメージに適合するような曲というべきかも知れないが、これほどのものを聴かせられたら聴くより他はないではないか、尹伊桑を。尹伊桑にはベルリンにおいて日本人の弟子がかなり居るということだ(細川俊雄など)。この曲が典型的な尹伊桑の作風なのかはまったく知らない。

図書館から借りてきた、金井美恵子のエッセイ・コレクションというのを読み始めたのだが、呆れた。僕は金井という人は初めて読むのだが、どれもこれも殆ど何の意味もない文章ではないだろうか。自意識過剰な中学生のブログのレヴェルだと思う。いや、金井美恵子は僕が信用する人たちがこぞって褒めているので自分がおかしいことは確実であるが、とにかく自分にはおもしろくもないし退屈ですらない。たぶん自分には高級すぎるのであろう。残念なことである。さすがに本書はこれ以上読めないが、「ブ」で買った小説がいくつかあるので、もう少し金井美恵子を読んでみるつもりではあるけれども。へーという感じ。

僕は金井美恵子は正義の人だと思う。いかにそれが逆説的な正義であるにせよ。そして僕はいつも書くとおり、正義が苦手だ。また、正義ではない部分のどうでもよさ。