こともなし

日曜日。晴。

モーツァルトのディヴェルティメント変ホ長調 K.563 で、演奏はアイザック・スターンピンカス・ズーカーマン、レナード・ローズという名手たち。

フォーレ弦楽四重奏曲ホ短調 op.121 で、演奏はアマティQ。

スクリャービンのピアノ・ソナタ第三番 op.23 で、ピアノはサンソン・フランソワ。僕は CD の BOX でこの演奏をもっている筈だが、全然気づかなかった。へー、フランソワがスクリャービンを弾いているのかという感じで、意外感でつい聴きたくなる組み合わせである。フランソワっていうと、貴族的な顔立ちがカッコいいダンディですよね(笑)。演奏スタイルもいかにも天才っぽく格好つけていて、それで実際に天才だったというめずらしい人である。録音は投げやりでテキトーっていうのがまたカッコいい。この曲はフランソワに合っている感じで、また最初から格好をつけているが、そのうち次第に乗ってきて、真剣に聴くべき深い表現に達しているところがおもしろい。個人的なことをいうと僕はスクリャービンの特に若い頃の曲を偏愛するのだが、日本のオンガクヒョーロンカという人たちがこれまでスクリャービンを殆ど無視してきたという歴史がある。まあよくわからなかったのだろうね。無理もない。
それにしても、スクリャービンというと「法悦の詩」っていう紋切り型は、いい加減に卒業したらどうだろう。さすがにもっと成熟した聴き方をするべき段階になったと思うのだが。ってエラそうですね。

昼から仕事。