坂本龍一「B-2 Unit」を聴く/小沢信男『俳句世がたり』

日曜日。晴。

ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲第十番 op.118 で、演奏はボロディンSQ。普段ロックなどを聴いていてクラシックを聴かない方にも是非聴いてもらいたい曲だ。これはショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲の中でももっともアグレッシブな曲であろう。ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲ベートーヴェン以降の弦楽四重奏曲としてもっとも価値の高い作品たちであることは疑いなく、そのシリアスさはベートーヴェンでさえ脱帽せざるを得まい。まさしく戦争と全体主義の世紀であった二十世紀にふさわしい作品たちだと思う。人間性に対する深い絶望が至るところに聴き取られる、いや、そんな風に聴いてはいけないのかも知れないが、自分にはそのようにも聴こえてしまう。ボロディンSQはショスタコーヴィチ演奏の第一人者たち。ここでも凄まじい演奏が聴ける。

Ubuntu Budgie 16.10 を 17.04 にアップグレード。これで Budgie は Ubuntu の公式フレーバーになったようだ。Kubuntu 16.10 のアップグレードはまだのようである。
坂本龍一の「B-2 Unit」を聴く。
十年ぶりくらいだろうか。前聴いたときはまだこれがよくわかっていなかったのは明らかである。しかし、今度はとてもおもしろく聴いた。リリカル、というとちょっとちがうかも知れないが、坂本龍一のアルバムの中で最良の現代詩にもっとも近いそれだと思う。坂本龍一は若い頃からノイズの感じがとてもいい。このアルバムの中では最後の二曲が音楽の超絶技巧的だ。そしてこのもう少し先へ行けそうだし、実際坂本はそこまで行ったのだろうか。もうこれは、坂本龍一を少しづつ聴き返さないといけないな。よくこんな人がいると思います。

B-2 Unit

B-2 Unit


小沢信男『俳句世がたり』読了。小沢信男さんは初めて読む(追記:いや、そうでなかった。『捨身なひと』を図書館から借りてきて読んだな)。いまの若い人たちは、こういう「リベラル」な物言いをする人を愚民と呼ぶだろう。俳句を読んでも著者は震災のこと、フクシマのことから、世の右傾化、ちっともなくならない戦争、等々に軽くは語っているが腹に据えかねる様子を隠そうとしない。こういう不満ばかり垂れて「対案を出さない」人間を、今日(こんにち)では愚民と呼んで軽蔑の対象にしているのだ。もちろん僕も愚民のひとりであり、著者ほどでなく既に慨嘆すらもしなくなってきたようである。それにしても、これまでの歴史でいい俳句が作られてきたものだと、本書のような小さい本を読んでも素朴に驚かされる。もう少し俳句を読まねばならないと思っているのだが、なかなか実行に移されなくていけない。中沢さんの対談本も出たしな。
俳句世がたり (岩波新書)

俳句世がたり (岩波新書)

芭蕉は当然なのだが、子規って人はホントにすごい人だな。エピソードを聞くだけですごいとわかる。あんまり読んだことがないので、子規ももっと読んでみたい。って無知丸出しですけれど。
近ごろは「パヨク」という蔑称が猖獗をきわめているそうですね。僕もたぶんその「パヨク」だと思います。やれやれ。
明日から小観光に行ってきます。どうやら雨になるみたいですが。