雨。
一晩寝ても昨日の大江健三郎と坂本龍一が消化しきれておらず、午前中はその後始末。しかし、日本の爺さんたちはすごいではないか。あとの世代はどうなのだろうなあ。人ごとでない。大変です。
散歩してきた。桜は近所のもの。じつに平凡ながら毎年撮る。細雨が降っているので暗いですが。
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ケネス・J・アロー『組織の限界』読了。村上泰亮訳。
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数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)
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それにしても結城先生はえらいなあ。僕がプログラミングを始めたのも結城先生の Perl 本からですよ。地の塩なり。
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小平先生の『解析入門』の冒頭を拾い読みしている。ここでももちろん数列の収束はいわゆる「ε-δ(イプシロン・デルタ)論法」で定義されている。つまり、
数列 {αn} が与えられたとし、αを一つの実数とする。任意の正の実数εに対応して自然数 n0(ε) が定まって
n > n0(ε) ならば |αn - α| < ε
となるとき、数列 {αn} はαに収束するという。
ということである。ここで先生は、この定義と同等な次の定理を証明される。
数列 {αn} が実数αに収束するための必要かつ十分な条件は、ρ < α < σ なる実数ρ,σが任意に与えられたとき、不等式:
ρ < αn < σ
が有限個の自然数 n を除いて成立することである。
これが先生の工夫で、こちらの方が直感的にわかりやすいのは明らかだ。収束値の両側からぎゅーっと挟んでやるというイメージだからである。実際この定理は多用されており、便利なので、この証明は是非見ておくとよいと思う。上の定義がしっかりわかっていないと、自分で証明するのはやさしくないだろう。
(追記)この定理は無限数列の場合しか正しくないね。小平先生はそれは定理そのものには記していないが、解説の部分で「当然のこと」として断ってあった(いやこれ、定理の部分に含まれるのかな)。しかし、ふつうたんに「数列」と言った場合、それは必ずしも無限数列を指すということはないと思う。なお、もとの定義は有限数列の場合でも問題は生じない。