こともなし

晴。


モーツァルトのピアノ・トリオ ト長調 K.564 で、ヴァイオリンはレオニード・コーガン、チェロはムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、ピアノはエミール・ギレリス

昼から仕事。仕事は年内は今日まで。

皆さん一年のまとめをやっておられるので、自分も追従してみます。もの心ついたときから活字を読み続けている自分ですが、今年は我ながら読まない年でした。以下、今年に出た本とは限りません。読んだ中から。

文学はまずは足立巻一の『やちまた』。中公文庫で復刊されたものを、ブログ「本はねころんで」さんから教えられたものです。圧倒的な読み応えでした。これは正確にはノンフィクションですが、文学と受け取ってかまわないでしょう。外国文学では、トーマス・マンの『ファウスト博士』。古い岩波文庫で読みました。クラシック音楽好きには必読の小説でしょう。それから、図書館からゼーバルトをだいぶ借りてきて読んだのも印象的です。文芸評論では大岡信の『うたげと孤心』『日本の詩歌』が岩波文庫に入りました。これは文学に入れてよいのか、鈴木道彦の『異郷の季節』は印象に残っています。これも古い本ですね。それから、いまさらですが小林信彦のエッセイは自分には大発見でした。

思想系では吉本隆明全集とレヴィ=ストロースを図書館から借りてきて読み続けました。それから、年末に気づいた中沢新一の『虎山に入る』と『熊を夢見る』。これは自分をこれから大きく変えそうなインパクトがありました。それから、これはどういうジャンルに入るのか、萱野茂の『アイヌ歳時記』。アイヌの高貴さに打たれる。

それから、若い研究者の奮闘記ですが、前野ウルド浩太郎の『バッタを倒しにアフリカへ』。これは最高でしたね。未来が見えなくなった人は、本書から勇気をもらうことができると思います。

今年は外面的な大事件は個人的にはなかったですが、自分の内部は劇的に変化したと思います。自分の中で何かがふっつり切れてしまったのも今年ですが、話が暗くなるので書きません。そうそう、ブログをはてなダイアリーからはてなブログに替えたということもありましたね。以上、テキトーですが戯れに書いてみました。皆さん今年もこのブログを読んで頂いてまことにありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。