こともなし

晴。

昼前に起きる。ぼーっとしていたらあっという間に夕方。

夜、仕事。

山下達郎のアルバム『FOR YOU』を聴く。
このアルバムを聴いたのは何年ぶりだろう。「LOVE TALKIN'」が聴きたかったので、ついでに超ひさしぶりに全曲を聴いてみた。いやあ、感慨深かったと同時に、これだけクラシック音楽野郎になっているのに、まったく違和感がなくて驚いた。しかし、それは当り前みたいなみたいなものであり、このアルバムは自分の原点のひとつであって、ここからクラシック音楽マウリツィオ・ポリーニグレン・グールド)に入っていったのだから。1982年というのだから、中学生のときか。僕は YMO じゃなくって、山下達郎だったのですね。あらためて聴いてみても、すごく聴きやすいのでなかなか気づかないが、圧倒的な領土の広さと、音楽というものを深く知り尽くした上での職人性、同時代(あるいはそれを超えた)的なカッコよさみたいなのがすべて入っている。やっていることはものすごくハイレヴェルで、「LOVELAND, ISLAND」などポピュラー曲だが、おお、どうなってるんだ職人技クオリティ高いみたいなもんである。まーなんつーか、福田和也ではないけれど、もしかしたら武満徹よりもスゴイかも知れない(福田は「現代の和漢朗詠集とか、スゲーこと言ってるな」みたいなことを書いていたっけ。山下達郎に言わせると、こんなんパクリですよということになるのだろうが、パクリの方がハイクオリティだったりする)。お目当ての「LOVE TALKIN'」はやはり超カッコよかったし、ラストの「YOUR EYES」は、まったくクラシック音楽の領土で書かれた、感動的な名作ですね。とか、ひさしぶりに聴いて興奮した。おっさんは鼻血が出そう。

FOR YOU (フォー・ユー)

FOR YOU (フォー・ユー)

僕が聴いたのは古い CD で、デジタル・リミックス以前のだと思う。なので、音にちょっと粒立ちが乏しいかも知れない。年代物の SONY の高音質CDウォークマンであります。

 

グレン・グールドの弾く、ブラームスの間奏曲集(抜粋)。