松浦寿輝『不可能』 / 吉田久一『近現代仏教の歴史』

晴。

午前中、プログラミング。数学の集合をオブジェクトとして扱えないか考えていたが、なかなか難しい。集合というだけでは一般的すぎるのだ。実際、数学での集合の要素は(一応)何でもよい。また、点列や加算無限、非加算無限もある。これらはどうやって表現したらいいのかな。濃度の問題もあるし。

昼から県営プール。夏休みのせいだろう、混んでいた。

図書館から借りてきた、松浦寿輝『不可能』読了。これは肯定的な意味で、よくできた優れたエンターテイメントである。主人公というのが自殺せずに生き延びたとされる老齢の三島由紀夫で、本書では本名の「平岡」でずっと呼ばれる。多少古典的な退屈さはあるが、現代において大時代的な幻想小説を書いてみせるというのはなかなか粋な趣向だ。さらりと一気に読み終えたが、特に第四章で舞台になる、主人公のために伊豆に建てられた「塔」の話は気に入った。シャレオツなエンタメが読みたい方は是非どうぞ。

不可能

不可能

著者にはもっと「高級エンタメ」を書き続けてほしいと思う。なかなかこういうことができる人はいない。優秀極まりないおフランスをやっているよりかは一〇〇倍マシだと思う。


数珠玉。

吉田久一『近現代仏教の歴史』読了。

近現代仏教の歴史 (ちくま学芸文庫)

近現代仏教の歴史 (ちくま学芸文庫)