柴崎友香『きょうのできごと、十年後』

曇。


バッハのブランデンブルク協奏曲第一番 BWV1046 で、演奏はフライブルク・バロック管弦楽団。よい。現代の標準的演奏という感じ。


シューマンの交響的練習曲 op.13 で、ピアノはアナトリー・ヴェデルニコフ。ちょっと言葉を失うほどの演奏だ。シューマンの音楽が絶対的ともいうべき姿で立ち上がっている。


プーランクの15の即興曲(の 1-9)で、ピアノはガブリエル・タッキーノ。洒落た音楽だな。やっぱりプーランクはいいね。


三善晃の「交響三章」(1960)で、指揮は渡邉暁雄、日本フィルハーモニー交響楽団。いや頑張っている。日本人作曲家、おもしろいな。ダサくて真面目で、とってもいい。皆んな食わず嫌いしないで、聴いてみるといいと思うよ。

昼から仕事。

図書館から借りてきた、柴崎友香きょうのできごと、十年後』読了。著者のデビュー作から十年後の話。デビュー作は読んでいるが、細かいことはまるで覚えていない。ただ、京都の自分に土地勘のある場所で、若い男女たちが微妙な交錯をするというような小説だったのを覚えている。で、とても同時代的にナチュラルな、淡々とした文章が印象に残っている。このナチュラルさみたいなものは、柴崎友香の得意技であろう。本書もそれはそんな感じで、ただ皆んな「齢をとった」ということになっている。でも思うのだけれど、高々30歳くらいで齢をとったも何もないものだが。確かにおもしろかったことはおもしろかったけれど、こんなので感傷に耽られてもなあとも思ってしまいました。まあ、中年も後半になったおっさんの感想ですね。30歳くらいの年齢の人には、共感をもって読めるだろうと思います。ただ、本書で舞台になっている京都の場所はやはり自分にはなつかしいところで、それはちょっと胸にきました。そのうち感傷旅行でもしてみようかなとふと思ってしまった。

きょうのできごと、十年後

きょうのできごと、十年後

もう自分は、つきあうとかつきあわないとか、結婚か転勤かとか、「○○君おひさしぶり」とか、そういうのがあまり受け付けない。ジジイ化してきました。


スクリャービンのピアノ・ソナタ第三番 op.23 で、ピアノはエミール・ギレリス