スーザン・ソンタグ『書くこと、ロラン・バルトについて』/佐々木敦『ニッポンの音楽』

晴。
甚だエロティックな夢を見て、まことに得をした気分になる(笑)。無意識による「まあちょっと元気を出せ」という計らいだろうかねえ。たぶん西村賢太を読んだせいかとも思うが、だとすれば何という単純な男であろうか、自分は。色いろ不思議なところもあったのだが、詳しくは書かない。夢についてはまだほとんどわかっていない気がする。かのフロイトが大きなブレイクスルーだったわけだけれども。
 フロイトは科学と見做されていないし、最近ではほとんど見ない名前であるが、忘れ去られていい存在ではない。僕なども御多分に洩れず、若い頃は「フロイトは何でもセックスのせいにする」というような揶揄の言葉を投げつけて得意になっていたものであるが、まことに愚かであった。我々の精神の如何に多くの部分がエロスによる土台をもっているかという、恐るべき事実を発見したのがフロイトだったのである。だからこそ、フロイトの登場はあれほどまでにスキャンダラスであったのだ。いまフロイトが忘却されているとすれば、それは現代がエロスを軽視するからであろう。どれほどまでも過激な画像・動画がネットで簡単に見られる時代である。エロスの抑圧が弱くなるはずであり、またそれは一概には悪いこととはいえない。エロスの開放は進歩であるとされてきたことでもあるし。その帰結が、現代の「サトリ世代」「草食系男子」の登場であろう。これは確実に自分にも当て嵌まると自覚している。

昼から肉屋。スーパー。わざわざ柳ケ瀬まで出かけてスキヤキ用の飛騨牛を買ってきましたよ。

おー、mathnb さん、色いろ出てきますなあ。僕はあいかわらず「最小多項式」って何かも知らないです。そのうち調べてみましょう。
 「Maxima」という数式処理ソフトは知らなかったのですが、かなり有名みたいですね。Lisp 上で動作するようなので、Common Lisp か何かを入れないといけないのかな。OS を Linux Mint 18 に換えた時に放っておいたので、いまは Common LispScheme も入れていないです。これを期に入れ直してみましょう。
 mathnb さんが大好きだと仰る James Joseph Sylvester という人も知らないですね。何にも知らないな。
軽くぐぐってみましたが、Wikipedia の最小多項式の定義は自分には意味不明ですね。齋藤正彦先生の『線形代数入門』での定義は、考えればわかりそうです(p.197)。そのうちきちんと読んでみましょう。

線型代数入門 (基礎数学1)

線型代数入門 (基礎数学1)


図書館から借りてきた、スーザン・ソンタグ『書くこと、ロラン・バルトについて』読了。富山太佳夫訳。id:SHADEさんに教えてもらった、佐々木敦『ニッポンの音楽』読了。基本的に知らない話が多くて、勉強になった。なかなか上手くまとめてあって、感心する面もあった。これを読んでいて我ながら驚いたのだが、本書で「渋谷系」と呼ばれる音楽家たちが、まったく自分の視野から欠落していることを知った。もちろん名前は一応知っていたのだが、それに自分のまわりでも聴いている人たちがいたのに、どうして往時まったく聴く気がなかったのか。これらについてはそのうち聴いてみようかなとも思っている。あとは個人的な過去を思い出しましたね。本書で「小室系」と呼ばれているあたりなど、学生の時、おもにむかつく(笑)音楽をTSUTAYAで借りてきて、特に差異のあるやつをカセットテープ(!)にセレクトし、どんどん自分の中にインストールしていたことがあった。自分では「サンプリング」と称していたのだが、友達の中にはそういうことに批判的だったのもいた。坂本龍一とかは、そういうことをしながら聴いていて、レヴェルのちがう存在だなというのに気づいたわけです。まあ、基本的にクラシックを聴いていたのだけれど。しかし、クラシックでも現代音楽を網羅的に聴くようになったのは30代になってからだった。だいたい耳が自分なりに出来てきて、音楽を客観的にわりと正確に判断できるようになった(笑うな)のは40代になってからでしょうね。まあ、あの偉大なるジャズがごっそり欠落しているので、エラそうなことは言えません(まだこれから聴けるので、楽しみでないこともない)。古くさい人間なので、基本的にクラシックだしね。あ、どうでもいい自分語りをしてしまった。自分の趣味ではあまりないけれど、本書はなかなか悪くなかったですよ。最後おセンチになっているのはおやおやと思わないでもないけれど。しかし、結局自分はジャズやポピュラー音楽に関して絶対数を聴いていないのだよな。これではいくらエラそうなことを言ってもダメだと思う。一生無理だろう。