こともなし

曇。
音楽を聴く。■バッハ:フランス組曲第二番 BWV813(マレイ・ペライア参照)。安心して聴ける。それにしてもペライア、事前にしっかりと解釈を練りあげているな。さすがだ。そういえば DG に移籍したのですね。DG で平均律クラヴィーア曲集なんかも録音してくれないかしらん。■スカルラッティソナタ K.49、K.50、K.51、K.52、K.53、K.54 (スコット・ロス参照)。さらにスコット・ロスがわかった気がする。K.54 などすばらしい。まだまだ未知の領域は広大だ。そんな音楽をもっと聴き、そんな本をもっと読みたい。■メンデルスゾーン交響曲第三番 op.25 (バーンスタイン NYPO 1964)。若きバーンスタインの傍若無人な自分勝手ぶりはすばらしいのだが、それにしてもニューヨーク・フィルのこれまた三流ぶりといったら。特に弦のうるおいのなさは気になって仕方がない。正直言って録音されたものの中では最低レヴェルのオケなのではないか。バーンスタインは本当に野蛮で新鮮なのだけれど。

ショパンのバラード第一番。ピアノは小林愛実で、2015年のショパン・コンクールでの演奏だろう。小林愛実は若いながら既にキャリアの長いピアニストで、日本では知名度もかなり高い。このブログでも過去に何回も取り上げている。この曲が聴きたくてたまたま検索で引っかかったのだが、小林らしい演奏だと思う。この人は没入型のピアニストで、こういうのはやろうとしてできるものではない。ぴったりハマると誰にも真似のできない演奏を繰り広げる、才能あるピアニストだ。これはまたすごい演奏なので、驚いてしまう。この人は技術もかなりあるのだが、もしかつてのアルゲリッチの技術があれば世界を制したかもしれない。これは聴けばわかると思うが、はっきりとしたミスタッチがかなりある。そのあたりをどう評価するかですね。いずれにせよ、好き嫌いが明確に分かれる演奏家だ。これだけの個性は、日本人ピアニストではめずらしい。なお、アルゲリッチ小林愛実を高く買っているそうである。納得。

ジャン・ジュネを読む。
早寝。