こともなし

晴。

モーツァルトのピアノ協奏曲第十九番 K.459。ピアノはラドゥ・ルプー、指揮はデイヴィッド・ジンマン。ふつうの演奏。この曲が聴きたくなったのだが、これで充分である。いい曲だな。

レスピーギのヴァイオリン・ソナタ ロ短調 op.110。ヴァイオリンはレオニダス・カヴァコス、ピアノはユジャ・ワン。素晴らしい演奏なのでびっくりした。そもそも自分はこの曲をそれほどよく知っているわけではなく、たぶんこの曲の入ったCDは1枚しかもっていないと思うので、レスピーギがこんないい曲を書いているとはそれも驚きだった。ピアノが非常に重要な曲で、スクリャービン風のピアノの上にヴァイオリンのオブリガートが付いているとでもいうか。ユジャ・ワンのピアノは曲にぴったりで目の覚めるような感じを覚えた。カヴァコスのよく伸びるヴァイオリンも見事で、ブラームスソナタなど、このヴァイオリニストで聴いてみたい気がした。唯一残念なのは、録音の状態があまりよくないこと。じつに惜しいが、それでも名演に変わりはない。それから、楽しいアンコールも是非聴いてください。

そういえば「古ツア」さんは岐阜の我楽多書房が閉店する(日記)前に結局訪問されなかったのかな。あそこはかなりいい古本屋だった。あそこのオバちゃんに一応顔を覚えてもらっていて、何回か言葉を交わしたことを覚えている。まったく町の古本屋そのもので、全国的な有名店でも何でもなかったわけだが、新書本のクオリティなど、京都の古本屋にも負けていなかった。岐阜ではいま徒然舎さんが有名だが、まだ一度も訪れたことがない。じつは各務原での一箱古本市では買ったことがあるけれど。
我楽多書房の閉店についてはここにいいブログ記事がある。ネット上ではそれ以外あまり話題にならなかったようだ。そんなものなのだな。
僕はいまや文化の担い手としての古本屋というものには殆ど期待していない。けれども、若い人たちが意外に古本屋を立ち上げるのは頼もしく思う。ただ、彼ら彼女らの趣味的な、オシャレな店は自分には敷居が高く、どちらかといえば昔ながらの、ふつうの古本屋が好きだ。エロ系の古本屋とそうでないのとは、やはり分かれていた方がよいと思う。エロ系の古本屋でエロ本を買う独特の感覚を、是非いまの若い人たちにも味わって欲しいと思うが、ネット世代にはむつかしかろうな。

ここでの mathnb さんのコメントがとてもおもしろかった。数学でも行間を読むかって話ですね。ぶっちゃけて言えば数学でも行間を読まないではやっていられないので、それというのも先生方はみな面倒くさがりで、自分のわかっているところは省略するからである。難解な教科書というのは、たいていがその類なんで、自分のような頭の悪い生徒はそこのところがわからない。と書いておいて何だが、自分は行間を無視して、わかろうがわかるまいがテキトーに理系書を読むのが好きである。これは絶対にみなさん真似されないように。中身がわかる筈がないので。
 (理系本に)書き込みをするかって話もおもしろいですね。僕はこれは本によってちがいます。気に入った本はじっくり読むので、書き込みを入れることが多いですね(mathnb さんの仰るとおり、これをやると古本屋に売れない)。何年かあとに読むと、自分の書き込みがわからなかったりする(笑)。色いろ数学系の古本屋へのリンクもおもしろかった。ああ、僕は最近単行本の理系書を買っていないですね。ちくま学芸文庫にはお世話になりっぱなしである。時々は買おうかな。
そうそう、あと問題を解くときは、問題に与えてある数式は必ず手で写しますね。よくその間に解法に気がつくことが多い。それから図を書く。数学が苦手という人で、面倒がって図をきちんと書かない人が意外と多い。こういう上手く図を書くというのは書物で伝えることはなかなかむずかしくて、マンツーマンで教えると何だこんなことかというものなのだが。
筑波大学の入試問題、これもおもしろいッスね。問二はすぐにわかった(そのうち書く)。相加相乗の収束問題もおもしろい。解析の苦手なわたくしにはすぐにわかるとはいかないが、これは不思議な感じの問題なのですね。旧課程なの?

ナボコフを読む。