ルソー『言語起源論』

曇。
この一週間くらいほとんど死んでいた。この何年間かでいちばんつらかった。
音楽を聴く。■バッハ:平均律クラヴィーア曲集第二巻第十一番 BWV880〜第十二番 BWV881 (ヒューイット、参照)。■モーツァルト交響曲第四十一番 K.551 (リッカルド・ムーティ)。感動必至の超名曲であるが、終楽章の転調の連続はむずかしすぎる。モーツァルトの頭についていけない…。ムーティはよろしいです。


ルソー『言語起源論』読了。新訳。もう少しすっきり書いてくれればいいのに。何だかよくわからない議論だし、途中から音楽論になる。言語の起源というのは大変にむずかしいもので、いまでもはっきりと確定したことは言えないが、言語を発生させるメカニズムがある程度我々の脳にビルトインされていることは確かだろう。しかし、やはり孤立したたった一人から言語は生まれるものではないので、多数性、一種の社会性もまた必要なのであろう。そして情念がその母体であったとは、恐らくルソーの言うとおりなのではないかと思う。それから、ルソーは指摘していないが、原初的な言語ほど複雑であるという傾向になるのではないか。ひとつの言語でも、時代が下っていくにつれて文法的には簡略化されていく傾向が、あらゆる言語にあると思われる。
言語起源論――旋律と音楽的模倣について (岩波文庫)

言語起源論――旋律と音楽的模倣について (岩波文庫)