種村季弘『魔法の眼鏡』

晴。
あんまり喉が痛いので、夜中に起きてのどちんこに喉用の薬を噴射する。これが効いたらしく、朝起きたら風邪はよくなっていた。ただ、午前中は寝る。
音楽を聴く。■バッハ:平均律クラヴィーア曲集第一巻第十九番 BWV864〜第二十四番 BWV869 (ヒューイット、参照)。
ぐぐってみたら、喉の痛みは典型的な「夏風邪」のよう。炎症が長引くこともめずらしくないらしい。やはり、エアコンで乾燥するのもよくないのかな。ただ、扁桃癌などの場合もあるようなので、気をつけていよう。

図書館から借りてきた、種村季弘『魔法の眼鏡』読了。ああ、おもしろかった。まごうかたなき種村ワールドである。種村季弘を読んでいると、やはり澁澤龍彦と比べたくなる。といっても自分にその能力はないわけだが、ちょっとだけ書いておくと、種村季弘には澁澤的な発展・深化というものは見られないように思われる。これは種村を貶めるものではまったくなくて、個々の題材そのものを喜ぶ種村は、澁澤龍彦とタイプがちがうのだ。それにしても、新たな澁澤龍彦よ出でよと言うのは当の種村くらいしか見たことがないのだが(もちろん自分が知らないだけであろう)、新たな種村季弘よ出でよという人たちがいまでも枚挙に暇がないというのがおもしろい。まあ、いまのような底の浅い日本の有り様(もちろん自分も含む)では、新たな澁澤龍彦の出現など不可能であることは直ちにわかる。種村季弘の後継者がいまの日本に居るのか知らないが、僕もそんな人物の書いたものを読みたいものだと心から思う。例えばアニメのエヴァンゲリオンなどは自分もおもしろいと思うのだが、そのディテールは結局はガジェットに過ぎないのではないか。それは結局広大な神話世界に通底していないのではないか。

魔法の眼鏡

魔法の眼鏡

#
吉田美奈子を聴く。
吉田美奈子の世界への鍵を見つけたと思う。僕は吉田美奈子を神格化するつもりは毛頭ないけれど、これが cool なのは明らかではないか。僕のようなおっさんばかりではなく、若い人たちにも聴いてもらいたいものである。意外と若い人たちは、日本にこんな才能が存在することを知らないような気がするのだけれども、ちがうであろうか。
ライトゥン・アップ

ライトゥン・アップ