笠原乾吉『複素解析』

晴。
早く寝てしまったので、真夜中に起きる。調子は体も心もいまひとつ。統合が苦しいところ。

フランクのピアノ五重奏曲で、ル・サージュ+エベーヌQによる演奏。まあ何と見事な。とろけるようなぶ厚い響きがたまらない。この曲を効果的に演奏するのは至難で、リヒテルボロディンQでも成功していないくらいなのだが、これは滅多にない素晴らしい演奏だ。このメンバーで録音すればいいのに。

スクリャービン交響曲第四番「法悦の詩」。サロネンスクリャービンだからいいに決っていると思って聴いてみたら、やっぱりよかった。さすがですな。サロネンって優れた作曲家でもあるし、いい指揮者だよね。それから、この曲は20分程度のそれほど長くないそれだけれど、中身が充実しているせいで倍の長さのようにすら感じる。

ショパンのワルツを、ラフマニノフが弾いている録音。音は極めて貧しいけれど、いい演奏だなあ。中沢さんの言う、超薄(アンフラマンス)を久しぶりに感じた。

ユジャ・ワンスクリャービンは絶品ですな。悪魔的な技巧の冴えもよいが、耽美的スクリャービンが何とも! 不思議なピアニストだ。タイプはちがうけれど、ちょっとホロヴィッツを思い出させるところがある。残念ながら、アルゲリッチにはなれなかった。

で、ホロヴィッツです。曲はこれまでに書かれたもっともドラマティックかつロマンティックな曲である、スクリャービンエチュード op.42-5。

今日からまた仕事。それからプールへ行きたいのだが、八月中は全部団体使用なのだった。県の施設だから仕方ないけれど、体がなまってどうしようもない。ジョギングでもしろよと言われるかも知れないが、岐阜は暑いので、早起きでもしないと無理だし、そもそもジョギングなどする根性がない。泳ぐのは別に若いにーちゃんがガンガン泳ぐのではなし、おっさんがちゃぱちゃぱやっているだけのこと。それでもやらないよりはマシなのである。いや、どうでもいいですね。
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http://pha22.net/comp/
pha さんの作られたサイト。めっちゃおもしろくて笑ってしまう。しかし、こういうのがすぐ作れるというのは、やっぱり pha さんはかしこいなあ。

笠原乾吉『複素解析』にざっと目を通す。文庫オビの惹句に「定評ある入門書」とあるが、間違ってはいないだろうけれど、この本は相当に高度ですよ。まあ数学科の学生になら「入門書」かも知れないが、自分にはちょっとレヴェルが高すぎるようだ。なにせ、「ふつう」の入門書の最初の方が、本書では付録になっているくらいである。高校数学程度ではまず読めないだろう。しかし、個人的に複素解析(得意ではないけれど)には心惹かれるので、もう少しやさしい本で学んでからもっときちんと読みたい。いい本であり、文庫化されるにふさわしいことはすぐにわかりました。それにしても、この本がきちんと理解できる日が来るのかね。ちくま学芸文庫すごすぎるし。

複素解析 1変数解析関数 (ちくま学芸文庫)

複素解析 1変数解析関数 (ちくま学芸文庫)

なお、このブログには複素関数に関する初心者レヴェルの記事がいくつかあります。例えばここなどで、▲をクリックすると続きが読めます。
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あまり正確な言い方ではないと思うのだけれど、x と y について対称な多項式は、x + y = a, xy = b とするとすべて a と b の式(x, y を含まない)で表されると思うわけだが、これって証明できますかね。ちょっと考えてみたが、よくわからなかった。

中沢新一を読む。