フケー『水の精(ウンディーネ)』

晴。
フケー『水の精(ウンディーネ)』読了。識名章喜訳。シンプルで力強い物語だ。いまとなっては素朴だが、素朴ゆえの力強さがある。いまではこんなお話を書くのは却ってむつかしかろう。水の精ウンディーネが恋によって心を得るというのが魅力的。どこかで聞いたな、アンデルセンの「人魚姫」もそうだっけ。訳者解説によると、「人魚姫」は本作よりあとの時代になるらしい。水と女というのは、神話的元型のひとつでもあろう。最後はハッピーエンドではないが、これはもう納得できる。しかし、「取り替え子」のテーマまで入っているとは。これはどういうことなのか、けれども確かに効果を挙げている。なかなかよかったです。ちなみに、本作を戯曲にしたジロドゥの『オンディーヌ』も、この古典新訳文庫に入っている(参照)。

水の精(ウンディーネ) (光文社古典新訳文庫)

水の精(ウンディーネ) (光文社古典新訳文庫)

岩波文庫版の柴田治三郎訳も読んでいるようだ(参照)。

このところプログラミングからすっかり遠ざかっている。プログラミングが嫌いになったというよりは、上級プログラマたちの口汚さにウンザリするようになったためである。例を挙げようかとも思ったのであるが、リンクするために読んだだけで虫唾が走ったので、止めておく。プログラミングはそのうちまたやろうと思うが、永遠の初心者で結構である。なに、ナイーヴすぎる? まあそうかもね。