『今日から始める ホームページ WebデザインBook』/伊勢崎賢治『国際貢献のウソ』

晴。
早く寝てよく寝た。九時間睡眠?
音楽を聴く。■バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第三番 BWV1005(五嶋みどり参照)。終楽章以外はよかった。特にフーガには感銘を受けた。終楽章は相変らず無神経に弾き飛ばしている。■ベートーヴェン交響曲第七番 op.92 (フランス・ブリュッヘン参照)。素晴らしい演奏。これぞベートーヴェンを聴く喜びだろう。この曲は個人的にはそれほど好きな曲ではないが、この演奏は最初からワクワク感が止まらなかった。音楽的な内実に乏しい終楽章も、舞踏性と音楽性を両立させたまさに古典的な演奏で、演奏が終って「ブラボー」とつい叫びたくなった。それにしても、自分はブリュッヘンとよほど相性がいいのだろうな。お気に入りの指揮者である。

トヨタレンタカーで軽トラを借りて、仕事場の最後の片付け。今日で仕事場の鍵を返すことになる。
市の清掃センターにゴミを持ち込んで処分。
境川堤を車で走る。桜がほぼ満開。ここはこのあたりでいちばんの桜の名所だろう。
うどん「恵那」にて昼食。恵那ころ蕎麦1000円。

図書館から借りてきた、『今日から始める ホームページ WebデザインBook』読了。しゃれたホームページのスクリーンショットを載せてある本。それはまあいいのだけれど、それだけなのだよなあ。実装の仕方とかは一切書いてない。それに情報がかなり古いし。またしても市の図書館クオリティ。(※注意 アマゾンのレヴューでは肯定的な評価が多いです。そちらも参考になるかと。)

今日から始めるホームページWebデザインBook

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伊勢崎賢治国際貢献のウソ』読了。どう書こうか迷う。伊勢崎賢治氏についてはこれまで何回か書いたことがあるが(検索)、おそらく何のためにもならなかったのかも知れない。日本の読書人は文学しか読まない人が大多数なので、たぶん書いても無意味だろうとは思う。しかし、これまで著者が日本人に(たぶん)絶望せず、粘り強く語りかけてこられたことに感銘を受けるので、少しだけ書いておこう。ボランティアだの国際貢献だの NGO だの、いま非常に肯定的に「だけ」声高に語られているが、我々はまずファクトを知るべきであろう。例えばのことであるが、「青年海外協力隊」というのは、ボランティアではない。実質的に給料も出る、立派な定職である。そしてそれは、税金で運営されている、国益を追求する団体に他ならない。もちろんそういう組織があってまったく構わないわけで、しかしその宣伝に「ボランティア」という事実とちがうウソが使われていることが非常に問題なのだ。本書を読んでいると、とにかく日本(政府、だけに限らないが)にそのようなウソがあまりにも多いことに、情けなさを覚えざるを得ない。それから、「NGO」というのは「非政府組織」ということで、欧米の NGO は基本的に営利団体である。それは当然のことで、NGO に優秀なスタッフを揃えるには、給料を払うのは当然のことだ。日本の NGO のほとんどは、清貧のイメージは結構なことだが、欧米の NGO 並みに国際貢献できているそれは、「ペシャワール会」の他いくつあるのだろう。なお、政府から金をもらえない NGO は必然的に寄付が基盤になるが、日本には市民に税金以外に公的な金を出すというという文化がないので(自分も「ペシャワール会」に寄付をしようと思っているだけで、まだやっていない)、日本の「NGO」のほとんどは必然的に国の紐付きであり、「非政府組織」というのと矛盾することになっているというのが事実である。
 などということは幾らでも書けるが、あまり知られていないかもということで書いただけのことである。以上のことは事実のほんの一部で、とにかく我々はファクトを出来るだけ知らなばならない。以上、著者のためになったのかわからないが、書いてみた。誰も伊勢崎さんを読まなくても、平凡人ながらこれからも何とか読んでみたいと思っている。憲法九条だの自衛隊だのおしゃべりするのは、そのあとでいい。
国際貢献のウソ (ちくまプリマー新書)

国際貢献のウソ (ちくまプリマー新書)

僕は思うのだが、確かに日本人は平和ボケしているのかも知れないが、それは今の日本人にとって、人を殺すということにかなりの違和感があるからではないだろうか。僕は或る英文雑誌を、そう読みもせずに定期購読しているが、そのページを繰っていると世界は人殺しに満ちていると思わざるを得ない。そして人殺しにいわば「慣れている」。本書を読んでもつくづくそう思う。世界では、莫大な数の人間が日々戦闘で殺し合っている。そしてそれを止めさせないシステムが世界的にできあがっている。もちろん日本人もある程度それに関わってきている筈だが、それでも政治家にとっても、平和ということは戦後からこれまで、基本的に疑われなかったと思う。そしてそれがいま、すこしづつ変わろうとしてきている。これから日本は、国際貢献ということで自衛隊が他国人を殺害するようになり、世界的な紛争とテロに巻き込まれていくことになるだろう。若い人たちが、これを選択する可能性は非常に高いと思う。恐らく、この流れは止められない。そのうち、日本人が人殺しに慣れる日が来るだろう。
よせばいいのにアマゾンのレヴューを読んで愕然とした。著者が「自慢話」をしているということを書いているレヴューが少なくない。僕はそもそも著者のされてきた仕事は「自慢話」に値するとすら思うが、それはともかく、これが自慢話に読めるというリテラシーの無さには言葉を失う。こういうバカ(というしかない)は何を読んでも無駄であろう。国辱ものである。