川上弘美『此処 彼処』

曇。
よく寝た。
音楽を聴く。■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第二番 op.18-2(タカーチQ、参照)。■バルトーク管弦楽のための協奏曲 (カラヤン 1965)。超絶的演奏。聴いて呆れたまえ。だいたい、こんな音を出すオーケストラが今はない。もう二度とこんなレヴェルの演奏がなされることはないであろう。しかし、これは誰もが聴いておくべき演奏(というのがあるとしてだが)であろうが、僕は全然知らなかったのですけれど。たぶん、皆んな知っているのであろうな。それからバルトークであるが、こんな曲を書く天才がのたれ死ぬとか、あっていいことだろうか。本当に天才というのはひと目につかぬのだなあと思う。世間のもののわからぬこと、かくがごとし。

川上弘美『此処 彼処』読了。しばらく小説だと思って読んでいた。実際はエッセイ集である。著者の記憶に残った土地たちについて書いてあるもので、さりげない記述ばかりだけれど、じつに才能を感じる。天性の才能をもつ書き手というものは居るものなのだな。本書に挙げてある土地で、たまたま自分の思い出になっているところがあって驚いた。愛知県の「五色園」である。たぶん僕が小学校に上がる前か、低学年の頃、家族と伯母一家と訪れたところで、特別な思い出があるのだが、ここには書かない。その伯父は数年前に亡くなり、伯母はいま痴呆が進行している。両親は古希を越え、自分もおっさんになった。往時茫茫。

此処彼処 (新潮文庫)

此処彼処 (新潮文庫)


「囲碁の謎」を解いたグーグルの超知能は、人工知能の進化を10年早めた|WIRED.jp
すごい。囲碁の対戦ソフトで、プロ並みに強いものが開発されたようだ。恐ろしいのはこれが囲碁に特化したソフトではなく、土台は汎用のものであるということ。じつに人間っぽいらしい。実際このソフトの打ってくる手は、プロでも人間の手がどうかまったく区別がつかないという。ついに人間並の AI が可能になってきたか…。Google 恐るべし。日本の技術では、当分到底追いつけないだろうな。
 しかし自分は危惧するが、これは確実に軍事技術に転用されるだろう。なお、ちょっと書き忘れたのでここで書いておくが、上の囲碁ソフトはプロ棋士棋譜を学習しているのだが、そのソフト同士を対戦させることにより、さらに強くすることが可能だという。これは汎用 AI だから可能なことであろう。軍事的にも、誰も倒せない AI 兵器が出てきてもまったくおかしくない。驚くべきである。
 この話題はいつもながら JavaBlack さんのブログから(参照)。さすがです。