小熊英二『生きて帰ってきた男』

晴。ようやく(?)毎年並みに寒くなってきた。
音楽を聴く。■モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第三番 K.246、アダージョ K.261、ロンド ハ長調 K.373、ロンド変ロ長調 K.269 (パールマンレヴァイン参照)。■■ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第二番 op.100 (チョン・キョンファ、ペーター・フランクル参照)。名演と云っていいだろう。さすがである。あとは、ピアニストがもう少し個性的だとよかったような。あまり目立たない。

小熊英二『生きて帰ってきた男』読了(電子書籍版)。副題「ある日本兵の戦争と戦後」。小熊英二氏らによる、小熊氏の父(謙二氏)への聞き取りを再構成したものである。まずは大変な傑作であると云えるだろう。まず、謙二氏が高齢にも関わらず、詳細な記憶と優れた判断力を持ち、事実を淡々と語ることができる人物であること。また、著者である英二氏が歴史研究者であり、時代の背景を浮き彫りにする力を持っていて、記述に立体感があること。しかし、こんな説明は、読後感としては不十分であろう。淡々とした記述が続くにもかかわらず、正直言って感動したし、最後はこみ上げてくるものがあった。本当は冷静に読むべき、事実の書であろうが、本書には謙二氏のほぼ生涯すべてが記されており、ドキュメンタリー映画でも見ているかのような感銘を受けた。そして、淡々と語る中でも、謙二氏は戦争の現実がどういうものかを知らせようとする。それについては、敢てここでは書かない。とにかく、戦争とはどういうものかという、ファクトが大切なのだ。自分はまだまだファクトを知らないことを痛感する。結局、戦場で、戦争でひどい目に合うのは民衆なのだ。どうせボチボチやっていくことになるが、少しづつ勉強していこう。これはいい本だった。(AM1:02)


先日書いた肉屋の閉店であるが、そのスーパーの店員に、肉屋がなくなったことで食って掛かっていた客がいたそうである。まあどうやら、閉店の理由は単純に儲からなくなったということではないらしいが、スーパー側に柔軟性が欠けていたのは事実らしい。これも肉屋の閉店を嘆いている某人物からの情報どす。どうでもいいことでしてすみません。