松浦理英子『裏ヴァージョン』

曇。
もう定着した朝寝坊。というか夜更かしも。
松浦理英子『裏ヴァージョン』読了。読み出したときの印象は、また御得意の異常性癖(?)+メタフィクションかというもので、アメリカのレズビアン+SM はちょっとしんどいな…という感じだったが、へえ、こう展開するわけね。いやあ、おもしろかったです。同じ家屋に同居する二人の中年女性の一方が連作短篇みたいなものを書き、もう一方がコメントするというメタフィクションなのだが、著者はたぶん大まかに構想は立てながら、行き当たりばったりに書いている感じである。二人は十代の頃からの親友だが、お互いに辛辣で、文書の遣り取りが段々過激になっていく。結局、連作短篇は完全なフィクションから、(登場人物たちの)私小説のように変化していくのだが、その過程がとても刺激的だ。連作短篇より、二人の関係の方が明らかにメインである。最終的に一応決着はつくが、著者のメタフィクション的な仕掛けにより、真実はわからないというのが正解かも知れない。それにしてもこれ、メタフィクションとしてもとても質が高いし、心理小説として読んでもおもしろい。セクシャリティを題材にするのは著者の資質でもあり、得意技でもあるのだが、本書では一見セクシャリティが話題になっているようで、それはむしろ脇役であり、本格的な「実験小説」として読むのが楽しいと思う。でもこれ、ドタバタがエンタメ並におもしろかったりするし。「危険」な小説を読んでみたい人は、是非どうぞ。

裏ヴァージョン (文春文庫)

裏ヴァージョン (文春文庫)


1583夜『ユーミンの罪/オリーブの罠』酒井順子|松岡正剛の千夜千冊
おもしろいな。まさしくユーミンは同世代的な現象だったが、自分は殆どどうでもよかった。だいたい、ユーミンが「おシャレ」とかいう感覚がわからない。村上春樹と一緒で、ドロドロにダサいところがいいのでしょう。同時代的なセックス文化と切り離せないイコンだった。まあ、自分などの言うことではないが。
 AKB48 なんかもモロにセックス産業でしょう。握手会とか、新手のフーゾクとしてよく出来ていると思う。アイドルなのに、平気でランジェリー姿とかになるし。売れるのは当然だと思う。グループ内での競争とか、考えた奴はものすごく頭がいい。ああやって「夢を売り」つつ、搾取するのだよねえ。皆ハッピーなのだから、どこに文句をつける余地があるのだ、とでも云うのかな。完璧な収益システム?

知って得する!55のRubyのトリビアな記法
おもしろい!