高瀬正仁『人物で語る数学入門』/池澤夏樹『雷神帖』

晴。
またよく寝た。
音楽を聴く。■ベートーヴェン交響曲第一番op.21(カール・ベーム)。うーん、悪くないのだが、もっと躍動感が欲しい。この曲、カッコいい曲なんだよ。まあ、ベームベートーヴェンは偶数番だと予想されるのではあるが。

Symphonies 1 2 4 & 5

Symphonies 1 2 4 & 5

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第三番op.29(パスカル・ロジェシャルル・デュトワ参照)。サン=サーンスは侮れない。前と同じ感想だけれど、実力者たちによる演奏は素晴らしい。■フンメルピアノ三重奏曲第二番op.12(アレッサンドロ・デリャヴァン、ダニエラ・カンマラーノ、ルカ・マガリエッロ)。マイナーの楽しみ。マイナー音楽を聴くのは精神の健康にとてもよいのだが、どうしてなのだろうね。それにしても、フンメルのピアノ・トリオの全曲録音が結構あるのは、どういうものなのだろう。以前はトリオ・パルナッススの録音を聴いた(参照)。ホント、楽しい現象だな。
COMPLETE PIANO TRIOS

COMPLETE PIANO TRIOS


高瀬正仁『人物で語る数学入門』読了。僕は著者の高瀬氏のファンと云ってもいいくらいなので、迷わず購入した。本書は「数学入門」で、多少数学をかじった人にはとてもわかりやすい記述だが、高校数学程度の基礎知識がないと、ちょっと大変かも知れない。中身はかなり高度なことを語っているからだ。実際自分について云っても、真の数学の世界でもう少し楽に息をつくには、自分の中にある堅い岩盤を砕く必要があることを痛感させられた。まだまだこれでは本書は自分のものになっていない。
 なお、本書は(数学者としての)デカルトから始まり、リーマンが登場しかけたところで終っている。大きな柱は解析学微分積分)と数論である。数学史家らしい古典に対する深い理解が見られるので、若い意欲的な人に特にお薦めしたい。著者の他の本ももっと読まないといけないな。図書館から借りてきた、池澤夏樹『雷神帖』読了。副題「エッセー集成2」。ウンザリと感嘆が半分ずつ。思考力が浅いのはウンザリ、世界を広く見聞し、たくさんの本を読んでいるところは感嘆。この人は日本人のダメぶりを語らせるとイキイキしてくる。しかし池澤の云うとおり、日本人が内向きなのは確かであろう。自分もまた、池澤の指摘に該当する者である。未だに外国へ行ったことがない。
雷神帖―エッセー集成2 (エッセー集成 2)

雷神帖―エッセー集成2 (エッセー集成 2)