テリー・イーグルトン『文学とは何か(下)』/エーリヒ・ケストナー『人生処方詩集』/「トップをねらえ!」第一話、第二話

振替休日。晴。
音楽を聴く。■モーツァルト:幻想曲ハ短調K.475、ピアノ・ソナタ第十四番K.457(アンドレアス・シュタイアー、参照)。あまり感心しない。■シューマン交響曲第二番op.61(バレンボイム参照)。■ベルワルド:ピアノ・トリオ第四番ハ長調(ゴーディエ・アンサンブル、参照)。意外におもしろかった。役にも立った。
Flickr のリンクを、大きな画面が出てくるようにする。新しいバージョンは、デフォルトの画面が小さいので。
昼から、イオンの写真屋とカルコス。

↑好きな缶コーヒー。何かしようかなという際に時々飲む。

テリー・イーグルトン『文学とは何か(下)』読了。もう最高におもしろかった! 自分は本書を「最強エンターテイメント」として読んだが、まあ正しい読み方ではあるまい。一方で、本書を読んでいてしばしば浅田彰氏の『構造と力』が思い出されてならなかったが、これは的外れではないと思う。浅田氏のいう「チャート本」として(も)、本書は極めて優秀だからだ。筒井康隆の『文学部唯野教授』のタネ本(のひとつ?)でもあるという。比較すれば、『構造と力』の方が精緻であり、ラディカルであり、そして(敢て云えば)難解である。もっとも、本書は世界的に読まれたらしい。それはそうであろう、本書を読んで、「自分も現代批評理論がわかる」と安堵した人は、(世界的に)少なくないであろうから。しかし、現在は(訳者のいう)「理論の時代」ではない。むしろ「プラグマティズム」の時代であり、その意味で、文庫化された本書が(特に若い人に)今どう読まれるかは、興味がある。まあしかし、本当におもしろかったです。マジで巻を措く能わざる本だった。
文学とは何か――現代批評理論への招待(下) (岩波文庫)

文学とは何か――現代批評理論への招待(下) (岩波文庫)

エーリヒ・ケストナー『人生処方詩集』読了。小松太郎訳。これは素晴らしい。詩の中身も、人生の翳った場面を、ユーモアにくるんで歌っていて滋味溢れているし、翻訳も完全に日本語の詩として成立している。こういう訳詩集は滅多にない(リンゲルナッツを板倉鞆音が訳したものを思い出す)。小松太郎って、こんないい訳のできるドイツ文学者だったのだな。知らなかった。
人生処方詩集 (岩波文庫)

人生処方詩集 (岩波文庫)


トップをねらえ!」第一話、第二話を観る。
庵野秀明の初監督作品で、OVA黎明期の傑作というのだが……観るのには相当の忍耐がいった。特に、美樹本晴彦のキャラクター・デザインがキビシイ。同時代的にマクロスを観ていたときはまったく気にならなかったし、人気のデザイナーだったが、いま見るとあまりにも時代を感じる。話も、「美少女スポ根もの」+「ロボットもの」だそうだが、叫び出したいくらい恥ずかしかった。でも、後の方では大きく転回するそうなので、なんとか続けて観てみたい。画像も、この前観たエヴァンゲリオンの新劇場版とは、比べものにならないくらいの稚拙さである。昔はこんなのがふつうだったのだなあ。
トップをねらえ! Vol.1 [DVD]

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機動戦艦ナデシコ」は挫折した自分ですからなあ。