曇。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第二十六番K.537(ピリス、アバド、参照)。この曲は昔から苦手というか、生理的嫌悪感のようなものがある(どうしてだかわけがわからない)。客観的には、チャーミングな曲だと思うのだが。我慢して聴いてみる。いい演奏だとは思う。■ドビュッシー:夜想曲(ハイティンク)。
- アーティスト: Debussy,Haitink,Cgb
- 出版社/メーカー: Polygram Records
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
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吉田公平『王陽明「伝習録」を読む』読了。『伝習録』から抜粋し、詳しく解いたもの。中国の古典を久しぶりに読んだが、これは面白かった。西洋の古典とはまったく違っているけれど、勝るとも劣らない。陽明学は朱子学に対するものであり、儒学であるから、仏教(特に禅)は批判(仏教は天下に働きかけられない)の対象であるけれども、とても禅に近いと思った。結局、東洋思想の真髄は、どれも似たようなところを廻っているものだと思う。本書を読むと、陽明学がとても立派な思想だということがよくわかるのであり、また実際、日本でも江戸時代から明治にかけて、よく読まれてきた。現代の日本では、西洋哲学の俊英というのはある程度存在するが、東洋思想のそれというのを聞いたことがないのは、残念である。自分は、東洋思想は決して骨董ではないし、その生命を失っていないと密かに思う。これからもできるだけ、念頭に置いておきたいものである。
- 作者: 吉田公平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/05/10
- メディア: 文庫
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蛇足しておけば、柄谷が憲法第九条を強く支持するというのは、かなりの思想的重さを感じた。また、どこまで本気なのかと思うけれども、柄谷が新たな世界大戦を予想し、それを何とか避けねばならないというのも、不気味な感じがする。しかしこれらは、柄谷の主張からすれば、到達して意外性のない結論だと思う。そんなに簡単に素通りできない。しかし、世界への贈与として、日本は軍隊を放棄すべきだというのは…、どうなんだろう。これは真剣に考えるべきことなのだろうか(主張の一貫性はある)。まあ、これらは柄谷からすれば、枝葉末節のことなのだろうとは思う。
柄谷行人インタヴューズ2002-2013 (講談社文芸文庫)
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/03/11
- メディア: 文庫
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