玄侑宗久対談集『中途半端もありがたい』

雨。
音楽を聴く。■モーツァルト:幻想曲ハ短調K.475、ピアノ・ソナタ第十四番K.457(ラローチャ)。立派な演奏。■ブラームス:ラプソディop.79、16のワルツop.39(コヴァセヴィチ)。まあまあ。

図書館から借りてきた、玄侑宗久対談集『中途半端もありがたい』読了。東日本大震災後の、中沢新一佐藤優との二つの対談が絶頂だと思う。中沢さんは僕の偏愛する思想家なので、ここでは措くが、佐藤優との丁々発止のものすごい対談には感銘を受けざるを得なかった。まあ、玄侑さんも佐藤優もこちらは大好きなのだが(それにしても、佐藤優とこれだけ語れる禅僧が他にどれだけ居るのかね。新書とか書いているやつ(安永祖堂老師は別)はたいてい疑問である)。特に玄侑さんが自衛隊天皇をこう語ったのは、大きいと思う。もちろん禅僧だから、イデオロギー云々の話ではない。しかし、ここまで佐藤優に語らせるとは。返す刀で(?)、二人は現代の政治と経済を本質的に照射してみせる。この評語が大袈裟かどうかは、実際に読んでみて判断して欲しいものだ。ダメな人との対談もあるが、玄侑さんはさすがの対応なので充分読める。こういう対談集はなかなかない。
 しかし、高僧が現代日本の政治(だけではないが)は終っていると認識するとは…

中途半端もありがたい:玄侑宗久対談集

中途半端もありがたい:玄侑宗久対談集