シュレーディンガー方程式に出てきた波動関数 は、いったい何を表しているのか。現在最もオーソドックスな説明は、 が、粒子の存在確率を表しているとする解釈である。これは、「確率解釈」と呼ばれる。これとは別の考え方をする学者もある。波動関数は本質的に複素数であることがわかっているので、複素共役を * で表すと、
と書ける。
さて、そうなると、一個の粒子は、全空間内に確率1で存在しなければならないので、全空間で積分を取って、
とならなければならない。波動関数をこのようにすることを、「規格化」という。もし
となったら、新しい波動関数 を
とすれば、波動関数は規格化される。この を、波動関数のノルムという。
もし粒子が空間のどこかで見出されれば、波動関数は「収縮する」と考えられている。このとき、粒子はその一点で確率1で存在しているわけである(という言い方は、不確定性原理より、ミスリードかも知れない)。このメカニズムは量子力学建設の黎明期から問題になっているのだが、未だによくわかっていない。