線形写像空間

V、V'をK上の二つのベクトル空間とする。VからV'の中へのすべての線形写像のなす集合を考え、これを あるいは単に と書く。この集合がベクトル空間になるように、線形写像の加法と数の乗法を定義しよう。
 T:V→V'とF:V→V'を二つの線形写像とする。そのT+Fを、v∈Vに関して
   (T+F)(v)=T(v)+F(v)
なる写像で表す。さらに、c∈Kに対して、数の積
   (cT)(v)=cT(v)
で表す。これらは明らかに線形写像である。
 さらに、-Tを (-1)T、すなわち数 -1 とTの積と定義し、また、Vのすべての元にV'の零元Oを対応させる写像を、零写像とする。以上のようにすると、ベクトル空間からベクトル空間へのすべての線形写像の集合 が、またベクトル空間になるのである。