複素数の冪乗と多価性

複素数の冪乗は、次のように定義される。すなわち、z, c を複素数とすると、
   
である。このとき、w = zc と置くと、w の多価性が問題となる。
(1)c が整数 n のとき、zn は一価で、z を n 回掛けたもの(n < 0 ならば、1/z を |n| 回掛けたもの)と等しくなる。
(2)c が 2 以上の自然数の逆数 1/n であるとき。
   
     
となるが、 は周期関数であり、異なった値は次の
   
の n 個だけである。したがって w は n 価の関数である。