n 次の置換で、 と写して他を変えないものを、 と書き、s 次の「巡回置換」という。
例えば、
である。
すべての置換は、巡回置換の積として表すことができる。例えば、
である。このとき、積は可換である。
2次の巡回置換は、すなわち「互換」である。
すべての巡回置換は、互換の積で表すことができる。なぜなら、
となるから。右辺を右から写像の合成をしていくと、
と写る。
さらに、互換に関して、i<jのとき
が成り立つ。すなわち (i j) は、i≦k<k+1≦jとすると、(k k+1) の形の互換の積で、表すことができる。
これを示そう。
は、巡回置換
に一致する。この巡回置換に左から互換 (j-2 j-1) を掛けると、巡回置換
を得る。これを続けていけばいい。例えば
に注意。
(例) など。
以上より、次の定理がいえる。
n 次の置換σは、すべて互換の積として表される。しかもσは、互換 (i i+1), ただし 1≦i≦n-1, の積として表される。
例えば
など。
結構むずかしいですね。