雨。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第二十四番(ペライア)。■シューマン:幻想曲op.17(ペライア)。うーん、素晴らしい。この曲は、言うまでもなくシューマンの中でも最高傑作のひとつだ。遠くまで転調していくのが画期的なのだよね。この曲にはいい演奏がたくさんあるが、このペライアのもその中に充分伍していける名演だ。
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渡邊十絲子『Fの残響』読了。先日評論を読んで感心したので、処女詩集である本書を読んでみた。(たまたま比較的安い値段で入手できたのである。)かなり気に入る。詩人は相当色々な技巧を使っている。どの作品も抽象的ではあるが、それでリリカルさを失ってはいない。マイナー・ポエットではあろうけれど、確実に才能を持っていると感じた。他の詩集も是非読んでみたいと思うが、入手困難だろうな。
- 作者: 渡辺十糸子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1988/10
- メディア: 単行本
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その他の文章は、以前に書かれたことの繰り返しも多いが、さすがに新しい側面が見られないものはないようだ。個人的には、ヴァレリーの詩の新訳を出されているのは気づかなかった。これは買わねばなるまい。でも、何となくまだ、『若きパルク/魅惑』の訳業も積ん読になったままなのだが。とにかく、老いたりとはいえ、氏は我が国最高の知識人のひとりである。今の難しい時代、氏の知恵はまだまだ我々のゆく道を照らしてくれる筈だ。著者の壮健を祈りたい。
- 作者: 中井久夫
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2013/05/23
- メディア: 単行本
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