こともなし

曇。
母が友人と会って喧嘩別れしてきたという。お互い気が強いため、理由を聞くと笑ってしまうようなことで、いわば現在の経済認識の違いなのだった。何でも母の友人はガチガチの反アベノミクス論者で、今は最悪の「安倍バブル」であり、物が安いからデフレ結構で、円安やインフレなど論外、消費税は30%くらいにしないといけないというのである。安倍のやり方だと、近い将来、日本は崩壊するそうだ。母が色々例を上げて反論すると、友人に無理やり議論を抑えこまれたということらしく、それで母は頭に来てしまったのだった(笑)。よく聞いてみると、結局、母の友人は、収入に余裕があるためか、現在の日本は景気が悪いという認識が、なんとまったくなかったのである。(これは、今の日本の経済格差の現れでもある。)だから、どうして生活保護受給者が増えているのかとか、円高で日本の輸出産業が国際競争力を失い、実際にパナソニックやシャープ、ソニーと云った、日本を代表してきた企業が死にかけているという認識もないのだった。彼女は毎日「日経」を隅々まで読んでいるのが自慢で、自信満々なのだったそうだが、しかし、毎日「日経」を隅々まで読んで、今の日本の景気は悪くないという認識に至るとは、まさしく「木を見て森を見ず」であり、またこれは「日経」のダメさ加減を証明しているとも云えよう。前からそう思っていたが、「日経」は確かに経済の記事が多いが、だからといって「日経」の記者が経済学をわかっているとは云えないことの、証明でもある。彼女によると、ウチの母は息子(僕のことである(笑))に洗脳されているそうだが、僕から見ると、インテリが新聞その他のメディアに洗脳されていること、因って件の如しである。ホント、お互いちゃんと自分の頭で考えましょうね。