エスプロンセーダ『サラマンカの学生』/関満博『地域を豊かにする働き方』/篠原資明『空海と日本思想』

晴。
十時間くらい寝た。

エスプロンセーダ『サラマンカの学生』読了。著者はスペイン・ロマン派の詩人(1808-42)。表題作は、ドン・フアン伝説に題材を採ったもの。

関満博『地域を豊かにする働き方』読了。山形浩生氏の書評サイト(参照)で教えられた本。詳しくはそちらを見られたい。簡単に書くと、大震災の被災地復興についての本である。題名にそれが顕になっていないのは、本書の内容が、被災地以外の、没落する日本の地方の、これからの産業のあり方にも、通ずるからである。本書で「第六次産業」という言い方が出てくるが、これは「1×2×3次産業」ということで、地方が原材料(第一次産業)だけでなく、加工(第二次産業)と流通・販売(第三次産業)までを一手に行うことを意味する。また、地元を大切にするというのは、そこが各自の生きる場所になるということである。つまり、東京の郊外から都心へ長年通勤するだけで、定年してから、郊外に自分の居場所がない、そういう生き方ばかりではないということでもある。
 とにかく、著者は「現場」をよく見ておられる。ここには書かないが、自分の生き方についても、随分と考えさせられたとは、云っておこう。篠原資明『空海と日本思想』読了。
空海と日本思想 (岩波新書)

空海と日本思想 (岩波新書)


夜、何とはなしに、宮崎亮のミニマム級世界タイトル戦と、井岡一翔のライト・フライ級世界タイトル戦をテレビで観てしまう。宮崎は、相手のプレッシャーが強くて苦しかったが、よくしのいで11ラウンドの反撃に繋げた。勝ったときは結構感動しました。井岡は左のジャブがとても速くて正確で、じつに強かった。ほとんど打たれない。完璧に勝ってしまったという感じ。宮崎の試合みたいなのを観ると、ボクシングも確かに燃える。しかし、パンチが顔に当ったところをスローで見ると、顔がものすごく変形していて、恐ろしいようなものだな。世界チャンピオンにでもならないかぎり、お金も儲かるようなものでないのだから、よくやると思う。井岡はサラブレッドだが、不良上がりの宮崎などは、つい勝たせてやりたくなるね。

音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第二十二番(バレンボイム)。モーツァルトのピアノ協奏曲の最高傑作は、この曲ではないか。特に、終楽章。■ブラームスクラリネットソナタ第一番(ライスター)。■ハイドン:ピアノ・ソナタ第三十四番、第四十番(ブレンデル)。

皆さん、良いお年を。