雨。
「恵那」にて昼食。味噌煮込みうどん800円。
図書館で借りた、加古孝『自然科学の基礎としての微積分』にざっと目を通す。自分の好きな、薄っぺらい入門書なのであるが、極限などの取り扱いはかなり丁寧だ。初めて大学レヴェルの数学を学ぼうとする人には、本書はいいのではないか。丁寧なので、自分のいい加減さがわかったりする。例えば「一様連続」(p.41)の概念で、自分はこれを殆ど気にしていなかったことが判明した。関数f(x)=1/xは0
スタンレー・ミルグラム『服従の心理』読了。原著一九七四年。人は権威に服従するものだということを、実験で示した本である。その実験というのは、単語の学習を装って、(学習が間違うと)被験者が演技者に電撃を加える(もちろん本当には電撃されず、演技者はそれが加えられた振りをする)ことを実験者が要請し、次第にその電圧を上げていくとき、試験を続けるように強要する実験者に、被験者がどこまで服従するか、というようなものである。実験は様々なヴァリエーションを以ておこなわれ、被験者のおよそ三分の二ほどが、「危険」という最後のレヴェルまで続けてしまうことが見出された。
この心理学実験は有名なものらしく、反発も大きかったらしい。とにかく、アメリカ人らしい実験だと思う。著者は、このように人が易々と権威に服従している状態を「エージェント状態」と呼んでいるが、官僚の心理など、まさしくこれだと思った。これは特別な人が陥るものではない。殆どの人がこうなってしまうのだ。これが著者の見出したところである。
なお著者は、かの「六次の隔たり」で有名な、スモールワールド実験の考案者でもあるそうだ。一九八四年に五十一歳で早世している。
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