四方田犬彦『ゴダールと女たち』/シューマッハー『宴のあとの経済学』

晴。かんかん照り。
四方田犬彦ゴダールと女たち』読了。だいたい自分は、ゴダールといっても『勝手にしやがれ』と『気狂いピエロ』と『はなればなれに』しか観たことはないし、そもそも映画の良し悪しというものが分らない。本書は四方田犬彦の著書ということだけで読んだのだが、まあ面白かった。この人の文体というのは、現代の典型的に機能的な文体だと思うのだな。この本は単なるお話と思って読んでもいいだろう。

ゴダールと女たち (講談社現代新書)

ゴダールと女たち (講談社現代新書)

E・F・シューマッハー『宴のあとの経済学』読了。著者は「スモール・イズ・ビューティフル」の人。要するに、一極集中的大規模大量生産の弊害を説き、地方の実情に合った小規模生産を提言、実践したということである。本書はすべて実践されたことが土台になっているから、話が具体的で面白い。しかし著者は単なる実学の人というわけではなく、ケインズの認める数少ない経済学者でもあった。そこらあたりが奥が深い。今の時代にも意義のある、興味深い本だと思う。
宴のあとの経済学 (ちくま学芸文庫)

宴のあとの経済学 (ちくま学芸文庫)