上念司『デフレと円高の何が「悪」か』/橋本治『ロバート本』

晴。急に寒くなる。今年初めて暖房を入れた。
上念司『デフレと円高の何が「悪」か』読了。著者の本は二冊目(id:obelisk2:20100626)。本書も世評の高い本だけのことはあった。題名に偽りなし。著者は専門の経済学者ではなく、云ってみれば経済学の素人なのであるが、それが良い方に出て、素人にもわかるように、大切なことがコンパクトに纏まっている。しかし中身はもちろん、プロの経済学者も認める、しっかりとしたものだ。消費税を上げるとデフレ・スパイラルが加速する理由を説明しているところなど、恐しくなってきた。国の借金も、直ちにどうこうすべきほど深刻ではないこともわかる。とにかく、デフレも円高も、それでいいことは殆どないのだ。本書の全体を通して、議論がロジカルに説かれており、誤魔化しがない。本書の内容が、早く当り前のことになりますように。お薦め本です。

デフレと円高の何が「悪」か (光文社新書)

デフレと円高の何が「悪」か (光文社新書)

橋本治『ロバート本』読了。
ロバート本 (河出文庫)

ロバート本 (河出文庫)