玄侑宗久『御開帳綺譚』

晴。
玄侑宗久『御開帳綺譚』読了。玄侑さんは個人的に好きな小説家だが、表題作はいつもの「お坊さん」物で、この人のものとしては結構平凡だ。「雲雨」という語は初めて知ったけれどもね。でも、「ピュア・スキャット」がいい。アマいといわれようが、こういうのに弱いのだ。小説技法的にも上手い。

御開帳綺譚 (文春文庫)

御開帳綺譚 (文春文庫)


フェラスとバルビゼのデュオで、シューマンのヴァイオリン・ソナタ第一番を聴く。これは好きな曲だ。第一、第二楽章は申し分なくロマンティックで、聴き応えがある。いつも思うことだが、どうして自分はこう、ロマン派好きなのかとは反省してしまうのだけれども、それは二十年前からちっとも変ってない。というか、近頃ベートーヴェンなどを聴いていると、どうにも退屈で我慢できなくなることがある分、病は進行してるとも云える。さて、終楽章もとても音楽的なのだが、ちょっとテンポが遅くて、これだけはどうしても、クレーメルアルゲリッチのファンタジックな演奏が頭に思い浮かんでしまう。あれは奇跡的な演奏だった。こちらも、悪いわけではないが。
 検索してみると(こちら)、前にも随分、シューマンについてメモしてあるのだなと思う。